2021年12月、NFTアーティスト「Pak(パク)」のNFTコレクションが、9,180万ドル(約104億円)を売り上げて大きな注目を浴びました。
Pak’s ‘The Merge’ $91.8 million. O.O pic.twitter.com/iIhnN357Ni
— Jordan steward (@pritt_sylvia) May 31, 2022
Pak(パク)は20年間と長いデザイナー活動をおくっており、NFTの販売によって最も高い売上を達成したNFTアートでトップとなった実績を有しているアーティストです。
そこで本記事ではNFTアーティストPak(パク)に関連した以下の内容について解説していきます。
- NFTアーティストPak(パク)の実態とこれまでの功績
- Pak(パク)がリリースしたNFTの詳細について
- Pak(パク)がローンチするNFTマーケットプレイスについて
本記事を読むことで、NFT業界において高額売上を果たしたPak(パク)について理解を深めることができます。
Pak(パク)についてよく知らない方はもちろん、NFTに対して十分に理解できない方にもわかりやすく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
NFTアーティストPak(パク)とは
104億円のNFTコレクションを販売したPak(パク)は、1990年代から活動している匿名のデジタルアーティストです。
以前はMuratPakというクリエイター名で活動していましたが、本名を含めて多くの詳細が明かされていません。
とはいえ、匿名での活動はさほど大きなハンディキャップとはなっておらず、2021年12月に販売したNFTコレクション「Merge」は104億円の売上を達成しています。
またTwitterやInstagramなどのSNS上で画像を投稿するbotアカウントであるAI「Archillect」を開発した人物としても認知されている人物です。
さらにPak(パク)は販売するNFTのエディション数を限定しない「オープン・エディション」と呼ばれる販売コンセプトを提唱。
現在は一定の時間内に1つのエディション数によるNFT販売ではなく、複数のエディションからNFTを購入できるスタイルが標準的な販売形式となりました。
NFTアーティストPak(パク)は高額な取引を実現しただけではなく、現在のNFT取引の土台をつくり出した重要な人物です。
Pak(パク)のNFT
NFTアーティストPak(パク)がリリースしているNFTコレクションのうち、特徴的な以下2つのコレクションをご紹介します。
- 104億円を売り上げたNFTコレクション
- オークションハウスと共同リリースしたNFT
1つずつ詳しく解説していきます。
104億円を売り上げたNFTコレクション
NFTアーティストPak(パク)は、2021年12月にNFTコレクション「Merge」をリリース。
Pak’s ‘The Merge’ $91.8 million. O.O pic.twitter.com/iIhnN357Ni
— Jordan steward (@pritt_sylvia) May 31, 2022
合計312,686作品から構成されるコレクションは48時間の間で28,983人のコレクターによって購入され、約9,180万ドル(約104億円)の売上を達成しました。
NFTコレクションMergeは特殊な仕組みを有しており、「mass(マス)」と呼ばれるNFTを結合(Merge)することでNFTのサイズを拡大できます。
つまり購入するmass(マス)の数によって手に入れられるNFTはまったく異なるものになるため、希少性が高い美術収集品としてコレクターに評価されることとなります。
当NFTコレクションは2021年12月2日から4日の間、NFTマーケットプレイスNifty Gatewayで取引がおこなわれました。
販売価格は以下のとおりです。
- アーリーセール:1マス299ドル
- パブリックセール:1マス400ドル
※その後6時間ごとに25ドルずつ値上げされ、最終的に1マス575ドルで販売
またmass(マス)の購入数に応じてボーナスが配布される仕組みも適応されており、上位5位以内と50位以内にそれぞれ特別なmass(マス)が配られたといいます。
特殊な仕組みが実装されたNFTコレクションでしたが、NFTコレクターの関心を得る人気コレクションへとなりました。
オークションハウスと共同リリースしたNFT
2021年4月NFTアーティストPak(パク)と、世界二大オークションハウスの1つであるSotheby’s(サザビーズ)がコラボしてNFTをリリースしました。
販売されたのはNFTコレクション「The Fungible Collection」。
「Cube」と呼ばれるNFTを複数組み合わせることで、まったく新しいNFTが構築できる仕組みを実装したNFTコレクションです。
当NFTの販売は2021年4月12から14日にかけて、NFTマーケットプレイスNifty Gatewayにおいて開催されました。
価格550ドルのCubeは全部で19,880作品販売され、合計994万ドル(約10億円)の売上を達成。
現在(2022年6月)1つあたりのCubeの価格は2,700ドル(約33万円)、そして34個のCubeで構成されるNFTは、90,812ドル(約1,100万円)で販売されています。
NFTアーティストとオークションハウスによるコラボレーションと話題性があったため、高額な価格で取引されたNFTとなりました。
Pak(パク)が展開するNFTプラットフォームとは
NFTアーティストのPak(パク)は、burn.artと呼ばれるNFTプラットフォームをローンチしました。
burn.artでは自身が保有しているNFTをバーン(焼却)し、ERC20仕様の独自トークンであるASHが取得できる仕組みとなっています。
またバーン(焼却)によって得られる独自トークンASHは「灰」を意味しており、これに対してPak(パク)はTwitterで「灰でしか手に入らないものもあります。」と発信。
意味深なツイートであり注目を集めましたが、どうやら灰(ASH)でのみ購入できるNFT「CARBON」が存在します。
ちなみにSotheby’s(サザビーズ)とのコラボによってリリースされたNFTコレクション「The Fungible Collection」のセール参加者は、burn.artでNFTをバーン(焼却)できる仕様となっていたようです。
これまでコレクターの注目を大きく集めてきたPak(パク)だけに、NFTプラットフォームの今後の展開にも多大な期待が集まっています。
まとめ
本記事ではNFTアーティストPak(パク)について解説しました。
本記事の要約
- NFTアーティストPak(パク)はオープン・エディションよ呼ばれる販売形式を提案・実現した匿名のアーティスト
- Pak(パク)は世界二大オークションハウスである「Sotheby’s(サザビーズ)」とのコラボレーションを果たした実績ある人物
- Pak(パク)はNFTプラットフォームをローンチ予定であり今後の動向に注目が集まっている
世界的に有名なNFTコレクション「BoredApe Yacht Club(ボワード・ヨット・クラブ)」の一次販売額である9,600万ドルに対して、Pak(パク)の販売総額は9,180万ドルと対等な立ち位置となる結果となっています。
1つのNFTの販売価格は著名コレクションほど高額ではありませんが、Pak(パク)が提案したオープン・エディションと呼ばれる販売手法によって売り上げを伸ばしているアーティストです。
約20年という長いキャリアを活かして今後も新たな施策を取り入れてくると考えられるため、Pak(パク)の動向に注目しておきたいところです。