- クリプトキティ(CryptoKitties)はなぜ人気があったの?
- クリプトキティ(CryptoKitties)ってどうなった?
- クリプトキティ(CryptoKitties)はなぜ失敗した?
本記事では以上のような疑問について考察します。
クリプトキティ(CryptoKitties)は、2017年11月にリリースと早期にサービスを開始したNFTキャラを育成したり販売できるゲームです。
Kitty(キティ)と呼ばれる猫をモチーフにしたNFTを発行し、育成や新しいキティを生み出して売買するコレクト型のプロジェクトとして一躍有名となりました。
しかし現在、クリプトキティは失敗に終わったといわれるようになり、販売されているキティの価格も大きく下落しました。
そこで本記事では以下の内容について解説します。
- あらためてクリプトキティ(CryptoKitties)の特徴について解説
- クリプトキティ(CryptoKitties)の人気が高まった理由
- クリプトキティ(CryptoKitties)が失敗した理由3つ
クリプトキティが失敗した理由について理解しておけば、今後のNFT投資において参考となる可能性が十分にあります。
具体的な数字や図解も参照しながらわかりやすく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
クリプトキティ(CryptoKitties)とは
クリプトキティ(CryptoKitties)は、2017年11月28日にリリースされたEthereum上で稼働しているNFTゲームです。
Kitty(キティ)と呼ばれる愛らしい猫を育てて増やした後に、販売することでユーザーは収益を得ることができます。
基本情報はこちら
リリース日 | 2017年11月28日 |
運営 | Dapper Labs |
対応機種 | iOS、Android、ブラウザ |
公式サイト | https://www.cryptokitties.co/ |
クリプトキティには交配(ブリード)と呼ばれる仕組みがあり、2匹のKitty(キティ)を組み合わせることによって全く新しいKittyを生み出せます。
つまり、交配によって生み出されたレア度の高い希少価値のあるKittyは、高い値段で販売できる可能性があるため、多くのユーザーが交配に注目していました。
また、Kittyの販売や交配だけではゲームを楽しむ要素が少ないと危惧した運営は、サイドパーティと呼ばれる拡張機能を実装します。
サイドパーティの一例は以下のとおりです。
- キティハット:Kittyの着せ替えができる
- キティバトル:Kittyによるチームバトルがおこなえる
- Kitty Sales:Kittyの価格一覧を閲覧できる
また、Kitty Verse(キティバース)と呼ばれるサイドパーティ作成者を支援するプラットフォームも立ち上げられており、サイドパーティ作成者には最大100万ドルを出資するなど、プロジェクトの成長に積極的な取り組みがおこなわれていました。
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クリプトキティ(CryptoKitties)が人気になった理由
クリプトキティ(CryptoKitties)が急激な人気を獲得したのは、高額なKitty(キティ)の取引がきっかけでした。
当時、NFT市場が現在(2022年4月)ほど成長していなかったため、莫大な金額で取引されたNFTは数々の仮想通貨メディアで取り上げられました。
気になる取引されたNFTの金額は、253.3368ETH。
当時のレートに換算すると、約1200万円で1匹のKittyが販売されました。
メディアで取り上げられた直後は、Ethereum全体の取引量の内、10%以上をクリプトキティの取引が占めているほど大きな反響を呼んでいました。
クリプトキティ(CryptoKitties)が失敗した3つの理由
クリプトキティ(CryptoKitties)が失敗したとされる理由は、以下3つ存在します。
- 需要と供給がアンバランスになったから
- ポンジスキーム問題が顕在化したから
- システム制限によってサービスが低下したから
1つずつ解説していきます。
需要と供給がアンバランスになったから
2017年12月初旬、販売されるKitty(キティ)の需要と供給のバランスが不均衡となりました。
メディアによる報道によって利益を求めるユーザーが増え、新たなKittyが次々と販売されたのですが、Kittyを購入するユーザーは増えなかったからです。
需要と供給のアンバランスによって二次的に起きた問題は以下のとおりです。
- バイヤーマーケット化
- 競争が激化
- 販売成功率が低下
- ターンオーバー時間の長期化
仮想通貨銘柄も同様ですが、需要が減少してしまうと価格は低下してしまうため、Kittyも例外ではなくマーケットプレイス内全体を通してNFTの価格が下落してしまいました。
ポンジスキーム問題が顕在化したから
2つ目の理由としてあげられるのは、ポンジスキーム問題です。
ポンジスキームとは、先行者が大きな利益を獲得して後発組が稼ぎにくい事象を指します。近年のNFTゲームにおいてもポンジスキームは問題視されており、デュアルトークンシステムなどの施策によって対応がおこなわれています。
早期からクリプトキティ(CryptoKitties)に参入していたユーザーのNFTは当然、後発組のユーザーによって購入されるため、先行者は利益を得られます。
しかし、後発組がKitty(キティ)を保有・交配して販売できるKittyを手に入れた時点では、Kittyを販売したいユーザーで溢れていました。
加えて、後発組が購入したKittyの多くは、購入ユーザーにとって魅力的とはいえず売れ残ってしまったため、利益を得られるユーザーは決して多くはありませんでした。
さらに、この問題に気付いたユーザーは当然クリプトキティから撤退するため、残ったKittyは価格を下げて売りに出されてしまいます。
結果的にマーケットプレイス全体を通してKittyの価格は下落してしまい、NFTとしての価値を高められませんでした。
システム制限によってサービスが低下したから
クリプトキティ(CryptoKitties)の利用者が急増し取引量が著しく増えたため、ブロックチェーンのシステムに問題が発生しました。
クリプトキティはEthereumで稼働しているNFTゲームですが、スマートコントラクトが最適化されていなかったため、必要以上のガス代とトランザクション数の低さが問題となりました。
Kittyの独自マーケットプレイスの販売手数料3.75%に加えて、取引時におけるガス代は最高で0.01ETHまで高騰します。
さらにKittyの交配時にもガス代が発生するのですが、こちらは最高0.015ETHまで上がりました。
つまり、ユーザーがクリプトキティをプレイするために多大な時間を要するだけでなく、多額の費用が発生してしまったのです。
当然、ユーザーの満足度と収益は低下してしまい、結果的にKittyの価値は下がってしまいました。
現在のようにEthereumに代わるブロックチェーンが普及していなかったため、当問題は大きな爪痕を残しました。
クリプトキティ(CryptoKitties)が失敗した理由まとめ
本記事では、クリプトキティ(CryptoKitties)が失敗した理由3つについて解説しました。
本記事の要約
- クリプトキティは2017年にリリースされたNFTゲームのパイオニア的プロジェクト
- クリプトキティは注目されすぎた故にプロジェクトが失敗してしまった可能性が高い
- 失敗した原因はクリプトキティだけではなく、Ethereumにも問題が存在した
とはいえ、2019年にはアメリカを代表するVCのアンドリーセン・ホロウィッツが主導した資金調達で、約12億円を調達しており、現在もプロジェクトを成長させています。
様々なレア度によって価値は異なるものの、Kitty(キティ)も購入しやすい値段で販売されています。
クリプトキティの今後の成長を期待しつつ、NFTを購入してみるのも1つの投資手段として検討してみてもいいのかもしれません。