仮想通貨市場が徐々に盛り上がり始め、2021年半ばからはDeFiやNFT市場へ大手企業・ユーザーが参入し始めました。
そんな中、あらゆる仮想通貨メディアで目にするようになった「Web3.0(ウェブスリー)」の概念が著名人やインフルエンサー界隈においても注目されています。
インターネットがWeb1.0からWeb2.0へと成長したように、今後Web3.0に関連したサービスが私たちの生活に入り込んでくる可能性は十分にあります。
そこで本記事では以下の項目について解説します。
- Web3.0が注目される理由とインターネットの移り変わり
- Web3.0によってもたらされるユーザーへのメリットについて
- Web3.0の概念に対して理解しておくべき注意点
Web3.0についての知見を持っておけば、今後普及してくるブロックチェーン関連サービスへの理解も深まりやすく、柔軟に対応できるでしょう。
これまでWeb3.0の情報が難しいと感じた方にもわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
Web3.0とは?Web1.0やWeb2.0と何が違うのか
昨今、さまざまな仮想通貨メディアでWeb3.0(ウェブスリー)について言及されることが多いですが、なぜここまで注目されているのでしょうか?
これまで変化してきたインターネットの概念についても触れながら以下の流れで解説します。
- Web1.0とは
- Web2.0とは
- Web3.0とは
1つずつ解説していきます。
Web1.0とは
Web1.0とは、情報発信が一方向性であり、コンテンツの閲覧のみできるインターネットの時代を指します。
とはいえ、静的Webサイトを象徴するwww(world wide web)の開発一段階であり、ブログやwikiが登場するごくわすかな期間です。
しかし、Web1.0の概念はもともと存在しておらず、1999年に誕生したWeb2.0の概念とともに認知されはじめました。
主なサービス提供企業は以下のとおりです。
- Yahoo!
- mns
閲覧できるコンテンツは動画や画像ではなく、htmlをつかったテキストコンテンツが主体でした。
また、ユーザーはコンテンツの閲覧は可能ですが、扱うことはできなかったため、企業とのコミュニケーションをおこなうなど双方向性のやり取りはできませんでした。
Web2.0とは
Web2.0とは、ユーザーがWebコンテンツを制作できるようになり、双方向性のやり取りが可能となったソーシャルネットワークを指します。
We2.0の概念は1999年、デザイナーのDarcy DiNucci氏によって誕生した概念でありSNSサービス普及の幕開けとなりました。
あらゆるユーザーがブログや動画コンテンツ、SNSを活用して情報発信をおこなうことができるようになり、個人がインターネット上で容易に経済圏をつくれるようになりました。
Web2.0によって普及したサービスは以下の通りです。
- YouTube
しかし、インターネットがWeb2.0へと成長したことによって課題も出てきました。
サービスを提供する企業がユーザーの情報を保管するため、データの不正利用や流出事件が起きてしまいます。
たとえば、2019年にはアメリカの大手ソーシャルメディアであるFacebookの利用者5億人以上の個人情報が流出し、大きな問題となりました。
Web2.0を代表するGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)など1つの企業が大量の個人情報を管理するようになったため、ハッキングによる被害は甚大な規模に発展してしまいます。
Web2.0へインターネットが成長し、あらゆるサービスが利用できるようになった反面、企業がユーザーの情報を支配する中央集権的な社会が構築されました。
Web3.0とは
Web3.0(ウェブスリー)とはブロックチェーン技術によって、よりユーザー中心で分散化されたインターネットサービスを提供することを指します。
Web2.0の概念のように企業に支配される仕組みではなく、ブロックチェーンによって個人が権力をもてる仕組みです。
これまで企業によって管理されていた情報は個人で管理できるようになるため、Web2.0の課題を克服できると大変期待されています。
そして現在話題となっているWeb3.0を代表するサービスが「Brave Brouser」です。
Googleなど他のブラウザでは、利用ユーザーの閲覧履歴など大量の方法が抜き取られてしまい、情報に応じた広告が表示されてしまいます。
しかしBrave Brouserは、他の中央集権的なブラウザとは異なり、利用ユーザーの追跡を拒否するため広告をブロックしてくれます。
あくまでBrave BrouserはWeb3.0のあらゆるサービスの一例であり、他にも以下のようなさまざまなサービスが存在します。
- The Sandboxのようなブロックチェーンゲーム
- Filecoinのようなストレージシステム
- Steemitのようなソーシャルネットサービス
また、どこにも管理されていない・影響を受けない仮想通貨「Bitcoin」は、まさにWeb3.0の仕組みを体現した仮想通貨であるため、革命と呼ばれるほどの技術として注目を集めました。
Web3.0の概念をもとにあらゆるサービスが誕生しており、ともなってユーザーの生活は大きく変化する可能性を秘めています。
Web3.0のメリット
Web3.0(ウェブスリー)のメリット以下3点について具体的に解説していきます。
- プライバシーが守られる
- 国や企業を介さないやり取りが可能
- セキュリティの向上
今後普及する可能性があるメリットですので、ぜひご覧ください。
プライバシーが守られる
Web3.0(ウェブスリー)の仕組みを構築するブロックチェーンによって、ユーザーのプライバシーはより強固に守られます。
これまでSNSなどあらゆるサービスを提供している企業には、我々ユーザーの行動履歴などがすべて記録されてきました。
また、企業によって管理された個人情報は、広告やメルマガなどユーザーが希望しない情報発信に利用されてきており、経験がある方も多いのではないでしょうか。
しかしブロックチェーンの仕組みによって、個人情報や行動履歴は個人単位で管理されるようになったため、これまでのようなプライバシー被害は減少すると期待されています。
国や企業を介さないやり取りが可能
Web3.0(ウェブスリー)の概念を形成するブロックチェーン技術によって、国や企業を介さない個人間のやり取りが可能になりました。
例えば、これまではインターネット上でユーザー同士がゲームをプレイする際、カプコンやスクウェア・エニックスなどゲームを提供する中間企業を介してやり取りをおこなう必要がありました。
しかし、ブロックチェーン上で稼働するNFTゲームは、中間業者を介することなく個人間でやり取りをおこない、ゲームプレイやコミュニケーション、アイテムの売買を可能としました。
NFTアイテムの売買をおこなうには仮想通貨を利用するため、国境による制限を伴うこともありません。
一例として出したのはNFTゲームですが、Web3.0の概念をもとに誕生したあらゆるサービスは、国や企業を介さないやり取りを可能としてくれます。
セキュリティの向上
Web3.0(ウェブスリー)によって個人データのセキュリティは向上し、問題視されるハッキング被害の総数は減少すると考えられます。
これまで企業で管理されていた個人情報は、企業が保有するサーバーに一元化されていました。
つまり、多くのユーザー情報が1つの場所に保管されていたため、1度ハッキングによって大量の情報が盗まれてしまうリスクがありました。
しかし、ブロックチェーンによって分散化して保管されたデータは、複数の認証が成されなければ閲覧できません。
またデータはユーザー自身が管理するため、もし他のユーザーがハッキング被害を受けても自分自身に被害は及ばない可能性があります。
中央集権ではなく、分散化されたデータ管理は結果的にセキュリティ機能を劇的に向上させてくれます。
Web3.0の注意点
Web3.0(ウェブスリー)にメリットがある反面、当然注意点も存在するため、以下2点について解説します。
- すべて自己責任
- 普及まで時間を要する
Web3.0サービスを利用するにあたり理解しておきましょう。
すべて自己責任
Web3.0(ウェブスリー)の仕組みによって分散化されたサービス利用にともなう損害は、すべて自己責任となります。
ブロックチェーンによって保管されるデータは、すべてユーザー自身が管理するからです。
例えば、MetaMaskなど仮想通貨ウォレットを利用する際、パスワードを忘れてしまうと復元が不可能です。
これまでのWeb2.0サービスであれば、クレジットカードのパスワードを忘れても、管理会社が存在するためパスワードの復元が可能でした。
分散化されたデータ保管にメリットがある反面、責任はすべてユーザー自身に返ってくるため、理解したうえでサービスを利用しましょう。
普及まで時間を要する
Web3.0(ウェブスリー)は普及するまで多大な時間を要する可能性が高いでしょう。
Web3.0の仕組みを体現している仮想通貨「Bitcoin」は2009年に誕生し、革命的な技術として賞賛されたにも関わらず、10年以上経過した今でも生活に普及しているとはいえない状況です。
Web3.0の概念に基づくサービスも、便利かつ安全と理解できても我々の生活に突然普及するわけではありません。
とはいえ、スマホの普及のように利用ユーザーが増えることで突然生活に溶け込んでくるサービスやハードウェアもあるので、情報を集めながらサービスを利用してみましょう。
まとめ
本記事では、Web3.0(ウェブスリー)の概念について解説してきました。
本記事の要約
- Web1.0からWeb2.0へとインターネットは成長してきたが中央集権による課題も出てきた
- Web3.0はWeb2.0の課題を克服する概念であり、現在もあらゆるサービスが普及してきている
- Web3.0のサービスはユーザーの生活を変化させてくれるものだが注意点もあるので理解が必要
NFTプラットフォームのように一見、Web3.0の仕組みに成り立つ分散型サービスも存在しますが、管理者が位置している時点でWeb3.0のサービスとはいえないので注意が必要です。
本記事で紹介したサービス以外にも、DeFiやDAOなどWeb3.0の概念に基づいた革命的なサービスは生まれてきており、利用ユーザーに大きな利益をもたらすことさえあります。
インターネットは大きな変化の節目を迎えているため、引き続き情報を収集し時流に乗り遅れないようにしましょう。