世界最大のコーヒーチェーン店であるスターバックス(Starbucks)が、2022年4月4日にNFT事業へ参入すると発表しました。
未だ多くの詳細は発表されていませんが、2022年5月に新たな情報を公開予定です。
国内外問わず、IT業界を中心にあらゆる大手企業がNFT市場へ参入する中、遂に大手コーヒーチェーン店のスターバックスが動き始めることになります。
しかし、大手コーヒーチェーン店がNFT事業へ参入することを懐疑的に捉えているスターバックス社員や顧客も多く存在しており、様々な意見がSNSを中心に飛び交っています。
そこで本記事では、以下の内容を解説します。
- スターバックスが掲げるNFT事業戦略について
- NFT業界参入によって浮き彫りとなった問題
- NFT業界参入によってもたらされるスターバックスの未来
NFTについて理解できていない方にもわかりやすく解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
スターバックスがNFT事業への参入を発表
2022年4月4日、同日退任したKevin Johnson(ケビン・ジョンソン)氏に代わって最高経営責任者(CEO)に一時的に復帰した「Howard Schultz(ハワード・シュルツ)」CEOよって、スターバックスのNFT事業参入が発表されました。
さらに、ハワード・シュルツCEOは次のコメントを残しています。
「NFTのプラットフォームや事業を始めようとする企業やブランド、有名人やインフルエンサーを見ても、スターバックスが保有するコレクションや企業全体の歴史などに比類するような資産の宝庫を持ち合わせるものはない」
世界最大のコーヒーチェーン店であるスターバックスは、1971年に創業し50年以上にものぼる長い歴史の中で数々のコーヒーアートを創造し、多くの顧客を魅了してきました。
その上でスターバックスは、デジタル上の「サードプレイス」の構築へ積極的な取り組みをおこなうと言及しています。
またサードプレイスを構築するうえで、Web3.0の仕組みの重要性についても語っており、NFTとの関連性が高いメタバース市場への参入も期待できます。
ハワード・シュルツ氏は2022年末までにはスターバックスがNFTビジネスに参入すると明言しており、コレクションの詳細や施策についても今後情報が解禁されていくと考えられます。
NFT事業参入によって可視化された課題
世界中から約15,000人もの従業員が集まったオープンフォーラムでスターバックスのNFT参入発表が行われました。
しかし、発表時に戸惑いを隠せない従業員も多々見受けられたのも事実です。
なぜなら、スターバックスと労働組合の結成を狙う労働者が対立している関係の中で発表されたからです。
本フォーラムは当初、労働者の団結を目的に開催されたのですが、予想もしない発表に以下の映像のように耐え難い空気感が漂っていました。
"and here is how we're going to try to dupe, scam, and milk even more money out of our employees"
— Michael Lama (@LamaLamaRedPjma) April 5, 2022
当フォーラムでおこなわれたNFT事業への参入発表は、スターバックスと組合結成を図る労働者との対立から目を背けるものだと捉えられる意見もみられます。
さらに、労働組合のリーダーであるライラ・ダルトン氏がフォーラム終了1時間後にスターバックスから解雇されました。
真意の確認は行い難いものの、NFTビジネス参入発表のタイミングが世間に悪いイメージを植え付けてしまったのは間違いなさそうであり、TwitterなどのSNSにおいても様々な意見が飛び交っています。
とはいえ、50年以上も続く大企業がNFTビジネスへ参入は非常に興味深く、今後の展開に期待できることは間違いないため注目したいところです。
これまでスターバックスがおこなった施策
NFTビジネス参入を発表したスターバックスは、これまで様々な新しい取り組みの普及に成功してきたため、NFTビジネス参入にも大きな期待がもてそうです。
これまでの主な取り組みは以下のとおりです。
- 業界初の無料WiFi導入
- 企業としては珍しいFacebookページの立ち上げ
- ポイントシステム
- 仮想通貨決済
- モバイル注文
2019年には米国の一部の店舗でBTCとETHの主要仮想通貨による決済を導入。
さらに2021年にはデジタルアセットプラットフォーム「Bakkt」が、個人消費者向けの決済アプリをリリースし、スターバックスも当アプリを通してビットコインの決済が可能となりました。
また、2020年にはMicrosoft社と提携して開発したブロックチェーンシステムによるサービスが全米で公開されています。
当サービスは、コーヒー豆のパッケージに掲載されたコードを入力することで、コーヒー豆が生産されて焙煎されるまでの過程など店舗に到達するまでの情報が確認できるものです。
第3者によって決して改ざんされないブロックチェーンの特徴的な仕組みを活用したサービスをリリースしました。
以上のように、これまで革新的なサービスを数々リリースしてきたスターバックスだからこそ、今回のNFTビジネス参入に対しても期待せずにはいられないですね!
NFTによって変化するスターバックスの未来とは
2022年4月にNFTビジネスへの参入を発表したスターバックス。5月に追加情報を発表しています。
スターバックスが考えているNFTコンテンツは以下の通りです。
- コーヒーアート
- ストーリーテリング
- 長年の店舗デザイン
- スターバックスのカードアート
スターバックスはNFTにコミュニティへのアクセス権をもたせ、NFTにアート以外の更なる価値を付帯させようとしています。
また50年以上にわたって集めてきたリワード会員は、米国だけでも2,700万人以上存在しているため、NFTを広告・販売する顧客の母数が圧倒的に多いと理解できます。
コーヒーを楽しむための顧客がNFTを購入するのか疑問視する声も出てきそうですが、アクセス権を付帯させたNFTであれば、顧客のニーズを満たす手段としてNFTの販売も可能であるためあらゆる展開が期待できそうです。
なお、スターバックスが使用するブロックチェーンは未だ名言されていませんが、マルチチェーンあるいは特定のブロックチェーンに限らないものを使用する意向を示しています。
スターバックス独自のブロックチェーンがローンチされれば、NFTにも更なる需要と価値が高まる可能性があるため、新たに公開される情報にも注目したいところです。
スターバックスのNFT事業まとめ
本記事では、スターバックスのNFTビジネス参入について解説しました。
本記事の要約
- スターバックスは2022年末までにNFTビジネス参入をおこなうと発表
- スターバックスはこれまで仮想通貨決済やブロックチェーンによるサービス提供など革新的な施策をおこなっている
- 長年の経営によって培ってきたコンテンツと顧客によってNFTビジネスの展開が期待できる
50年以上の歴史をもつコーヒーチェーン店スターバックスのNFTビジネス参入は、業界を中心に大きな話題となりました。
とはいえ、Web3.0の仕組みに注目しているスターバックスにとってNFTビジネス参入は、戦略の一角に過ぎないのかもしれません。
仮想通貨決済を採用していることもあり、メタバース業界などWeb3.0に関連したサービスを今後提供してくるのは十分に考えられます。
NFTの仕組みに価値を感じて購入するユーザーが多い中、魅力的で「映え感」あるスターバックスのアートコンテンツによって、NFTに新たな価値感が生まれる可能性もあるため今後の動向に注目です。