NFTを出品・購入してみたい方で、NFTの取引市場として、どのマーケットプレイスを選べばよいかわからなくてお困りの方も多いでしょう。
海外のものだとOpenSeaやRarible、国内のものであればCoincheck NFT(β版)やAdam byGMO(β版)などさまざまなマーケットプレイスが存在し、使い方も異なります。
また、近年NFT市場の注目度が高まってきており、2021年以降は続々と新たなマーケットプレイスが誕生しており、それぞれで新たな使い方を覚えなくてはいけません。
そこで今回の記事ではNFTStudioと呼ばれる比較的新しいマーケットプレイスの特徴や使い方を紹介していきます。
マーケットプレイスでお悩みの方や使い方が分からなくて困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
NFTStudioとは
NFTStudioとは、CryptoGames(クリプトゲームス)株式会社が2021年3月22にリリースしたNFTのマーケットプレイスです。
転売といった二次販売が行われたときに、売買手数料の一部がクリエイターに永続的に還元される仕組みがあります。
また、一般的なマーケットプレイスだとガス代と呼ばれる取引手数料が発生しますが、NFTStudioではガス代が不要です。
そのため、クリエイターは無償でNFTを発行できるのです。
さらに、NFTをクレジットカードで購入できる国内初のマーケットプレイスとなります。
通常のマーケットプレイスでは特定の仮想通貨を利用する必要がありますが、クレジットカードでの決済のため仮想通貨の購入が不要です。
NFTStudioを利用するメリット
ここからはNFTStudioを利用するメリットを、購入者と出品者の2つの視点から解説します。
購入者のメリット
まずは、NFTStudioを利用する購入者側のメリットを紹介します。
購入者のメリット
① | クレジットカードの利用ができる |
② | 日本語に対応している |
③ | 公認アーティストしか出品できないようになっているため作品の質が高い |
④ | SNSアカウントからのログインができる |
⑤ | 所有者の権利がわかりやすい |
⑥ | 不明点はDiscordで質問できる |
⑦ | 和風なNFTアートといった日本独自のコンテンツが豊富 |
上記のように、主に日本語対応している点やクレジットカードの利用ができる点などは、ほかのマーケットプレイスではあまり見られない特徴となります。
出品者のメリット
次に、NFTStudioを利用する出品者側のメリットを紹介します。
出品者のメリット
① | NFTの出品時・キャンセル時にガス代がかからない |
② | 2次流通時にロイヤリティが還元される |
③ | 不明点はDiscordで質問できる |
出品者側のメリットとしては、ガス代がかからないことやロイヤリティが還元される点などが挙げられます。
また、不安な場合はすぐにDiscordで相談できる点も魅力的でしょう。
NFTStudioのデメリット
NFTStudioにはさまざまなメリットがありますが、当然デメリットもあります。
ここからは、購入者と出品者の2つの視点からのそれぞれのデメリットを解説します。
購入者のデメリット
まずは、NFTStudioを利用する購入者側のデメリットを紹介します。
購入者側のデメリット
① | 仮想通貨で取引できない |
② | イーサリアムブロックチェーンが使えない |
③ | 海外のマーケットプレイスと比較すると作品数が少ない |
NFTStudioではほかのマーケットプレイスとは違って、仮想通貨が使えないことが大きな特徴です。
そのため、普段別のマーケットプレイスを使っている方にとっては、逆に不便に感じてしまう可能性もあります。
出品者のデメリット
次に、NFTStudioを利用する出品者側のデメリットを紹介します。
出品者側のデメリット
① | NFT自体が日本では知られていないことが多いため、市場規模がまだまだ小さい |
② | 出品までには承認手続きが必要なため、主要なマーケットプレイスであるOpenSeaに比べると手間がかかる |
上記のように、出品には承認手続きが必要なため、主要なマーケットプレイスに比べると少し手間がかかる点がデメリットとなります。
現在では市場規模は小さいですが、今後NFTの認知度が高まるにつれて市場が大きくなっていく可能性はあります。
NFTStudioのアカウント登録方法
ここからはNFTStudioのアカウントを作成して登録する方法を紹介します。
NFTStudioではメールアドレスからアカウントの登録をするのではなく、「暗号資産ウォレット」と「SNSログイン」のいずれかの方法から登録を行います。
暗号資産ウォレットでのアカウント登録
暗号資産ウォレットでのログイン方法はNFTのマーケットプレイスを利用したことがない方にとっては難解に思えますが、実際は簡単にできます。
なお、ウォレットとは仮想通貨といった暗号資産を保管する財布のようなものです。
暗号資産の売買ができる取引所でも仮想通貨を管理できますが、ウォレットも活用することで資産の分散管理ができ、安全性がより強くなります。
暗号資産ウォレットは何を選べばよいか
暗号資産ウォレットについては、イーサリアム系の暗号資産に対応した「メタマスク(MetaMask)」がNFTStudioに対応しています。
つまり、暗号資産ウォレットからログインする場合には、事前にメタマスクでアカウントを作成しておく必要があるのです。
メタマスクのアカウントを作成したら、NFTStudioのホームページの右上にある「ログイン」ボタンから接続できます。
SNSログインでのアカウント登録
SNSログインではGoogleやLINE、Twitter、そしてDiscordの4つのSNSからログインが可能です。
ただし、SNSログインの場合はNFTStudioで購入したNFTを、ほかのマーケットプレイスで二次販売ができない可能性があります。
メタマスクからの登録であれば、ほとんどのマーケットプレイスに対応しているので、ほかでの二次販売が可能な場合が多いです。
しかし、SNSログインで使用しているウォレットは「TORUS WALLET」と呼ばれており、ほかのマーケットプレイスで利用できない場合があります。
このように、暗号資産ウォレットでのログインはメタマスクを利用しているので汎用性が高いですが、メタマスクのアカウント作成をしなければいけないという手間がかかります。
一方で、SNSログインは普段利用しているSNSからログインできる簡単さがありますが、ほかのマーケットプレイスでの二次販売には向いていないことには注意が必要です。
NFTStudioの出品方法
ここではクリエイターの方に向けて、NFTStudioでコンテンツを出品する方法を紹介します。
ただし、NFTStudioではOpenSeaといったほかのマーケットプレイスとは異なり、出品するクリエイターとして最適な人物かどうかを判断する審査制を採用しています。
Discordで所定の手続きし、審査に通ることで公認アーティストになる必要があります。
公認アーティストになると、マーケットプレイスでの出品が可能となるシステムです。
以下に、大まかな出品までの流れをまとめました。
NFTStudioでコンテンツを出品する方法
- 「クリエイターの方はこちら」からDiscordのNFTStudioサーバーに参加
- 新規ユーザー登録チャンネルから活動名・自己紹介文・メールアドレスを記入
- 案内や不明点、そのほか質問などを解消
- 契約書をメールアドレス宛に送信
- 契約締結後にアカウントを発行して共有
- アカウントへログインしたあと、メニューの「IssueNFT」からNFTを発行
上記のように、クリエイターはDiscordを通して契約を行ってからでないと、出品ができません。
ただし、二次販売の際は審査の必要がなく誰でも転売ができます。
NFTの二次販売とは?
従来はクリエイターの作成したコンテンツが転売されても、クリエイター自身に転売手数料といった収益が還元されることはありませんでした。
しかし、NFTが誕生したことで転売時にクリエイターに対して収益を還元できるような仕組みが確立し、クリエイターにとって追い風となる環境になったのです。
そのため、NFTのマーケットプレイスで作成したコンテンツを出品すれば、これまでのメルカリやラクマといった二次販売市場で転売されるよりも安定した収益が見込めます。
なお、NFTStudioでの二次販売でクリエイターの手元に入る手数料は、売買価格の5%となっています。
二次販売するときの注意点
購入したNFTの二次販売は同じマーケットプレイス内で転売するか、異なるマーケットプレイス内で転売するかの2通りに分かれます。
NFTStudio内で二次販売する方法は出品方法とほとんど同じとなります。
ほかのマーケットプレイス内で二次販売するときには条件があり、NFTStudioと同じブロックチェーンを使ったマーケットプレイスを選ばなくてはいけません。
NFTStudioと同じブロックチェーンを使っているものとしては、OpenSeaとnanakusaなどがあります。
出品したコンテンツが購入されたとき
出品したコンテンツが購入されたら、売上が出ます。
売上の出金はログイン後のメニューから売上申請が可能ですが、事前に振込先の銀行口座を登録しておきましょう。
また、祝日を除き毎週月曜日に振込業務が行われているため、申請した日の次の月曜日に振り込まれるかたちになっています。
NFTStudioの購入方法
NFTStudioに出品されているコンテンツの購入方法は非常にシンプルです。
ますは購入したいコンテンツを選び購入ボタンを押しましょう。
次にクレジットカード情報といった必要な情報を入力します。
その際に、「情報を保存して次回の支払い処理を迅速化する」にチェックをすることで支払い情報を保存することもできます。
所有権についての注意点
NFTStudioで購入したいコンテンツを選択したときに、画面を下にスクロールしていくと「所有権」という欄があります。
この欄にある「画像や動画の商用利用権」という欄で「NG」が出ていると、二次販売ができないことを示しています。
二次販売をしたい方は注意しておきましょう。
ほかのNFTマーケットプレイスとの比較
これまではNFTStudioの特徴や使い方について説明してきましたが、ほかにはどのようなマーケットプレイスがあるのでしょうか。
ここからは、主なNFTマーケットプレイスを5つ紹介します。
①:OpenSea
OpenSeaは世界中の多くの人から利用されているマーケットプレイスです。
アメリカのニューヨークを拠点としており、2021年7月時点では月間の取引数が約250億円もあります。
主な特徴は以下のとおりです。
OpenSeaの主な特徴
- せきぐちあいみや村上隆といった有名なNFTアーティストが利用している
- 取り扱いのあるNFTの種類や数が豊富
- 価格を設定する方法とオークション形式で販売する方法の2通りから選べる
②:CoinCheck NFT
CoinCheck NFTはユーザー間でNFTと仮想通貨の交換ができるマーケットプレイスです。
大手の仮想通貨取引所であるCoincheckを展開しているコインチェック社が運営しています。
主な特徴は以下のとおりです。
CoinCheck NFTの主な特徴
- Coincheckの口座があればNFTの出品・購入・保管ができる
- 出品・購入にかかるガス代がかからない
- 13種類の仮想通貨に対応している
③:nanakusa
nanakusaは動画のNFTを豊富に取り扱っているマーケットプレイスです。
「GO BASE」と呼ばれるブロックチェーンを展開するスマートアプリ社が運営しています。
主な特徴は以下のとおりです。
nanakusaの主な特徴
- Polygon(Matic)トークンによる出品・購入ができる
- 動画のNFTを数多く取り扱っている
- クレジットカードによる決済ができる
④:miime
miimeは、世界ではじめて日本円の決済機能を取り入れたマーケットプレイスです。
メタップスアルファ社が運営しています。
主な特徴は以下のとおりです。
miimeの主な特徴
- 「Sorare」や「The Sandbox」など有名なゲームタイトル12種に対応している
- 日本円の決済機能がある
⑤:TOKENLINK
TOKENLINKはブロックチェーンゲーム「CrossLink」で使えるアイテムの購入や、IOSTベースのNFTアイテムが売買できるマーケットプレイスです。
プラチナエッグ社が運営しています。
主な特徴は以下のとおりです。
TOKENLINKの主な特徴
- IOSTでの決済が使える
- マーケットプレイスだけではなくオークション機能もある
NFT AirDropとは
NFT AirDropとはNFTStudioのユーザーがNFTをほかのユーザーに無償で配布できる機能です。
NFTの無償配布は「giveaway」とも呼ばれており、出品者がTwitterのようなSNSを活用してマーケティングのキャンペーンとして実施します。
NFT AirDropの主な特徴は以下のとおりです。
NFT AirDropの主な特徴
- 1万個以上、および1万種類以上のNFTを配布できる
- ウォレットがないユーザーに対しても配布できる
- 料金は基本料金40万円/回+ガス代+そのほかで、1万個の配布ができる
実際の事例としては、タレントの蒼井そらがNFT Airdropを活用して3時間で1万個のNFTを配布しています。
NFTStudioはクレジットカードで決済するタイプのマーケットプレイス
今回はNFTStudioの特徴や使い方を紹介しました。
NFTStudioには転売されたときの売買手数料の一部が、クリエイターに永続的に還元される仕組みがあります。
また、ガス代が不要のためクリエイターが無償でNFTを発行できることや、仮想通貨を必要とせずクレジットカードで購入できることが特徴として挙げられます。
NFTStudioのアカウントの作成は「暗号資産ウォレット」と「SNSログイン」から選択できますが、前者のほうがほかのマーケットプレイスで二次販売する際に便利となるためおすすめです。
NFTの出品や購入も複雑ではなく初心者の方でも簡単に利用できるため、ぜひNFTStudioを試してみてください。