最近話題に上がっているNFTは野球やバスケットボールなど、スポーツ選手のトレカ分野にも広がっています。
なかでも、アメリカのメジャーリーグ(MLB)のトレカがNFT化されたものはアメリカを中心に世界中から人気を集めています。
そこでこの記事ではMLB公認のNFT野球カードの概要や購入手順を解説します。
元々MLBのトレカを集めていた方や今後集めてみたい方、NFTに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
MLB公認のNFT野球カードとは?
MLB公認のNFT野球カードとは、アメリカのメジャーリーグの野球カードを制作するTopps(トップス)社が、人気商品をNFTとして発行したものです。
MLB公認のNFT野球カードは2021年4月に販売開始されて以来、大きな話題を集めています。
また、数あるブロックチェーンのなかでもNFTやゲームに特化した「WAX」が採用されています。
WAXブロックチェーンで使われる仮想通貨は「WAXP」となり、単位は「WAX」です。
MLBのNFT野球カードが普及するにつれてWAXPの需要が高まり、値上がりが期待できます。
トップス社のMLBの野球カードが注目される理由
トップス社の野球カードはMLBの公認であり、70年近い歴史があるものです。
特にアメリカで大きな人気を集めており、さらにカードのコレクターは世界中に数多く存在し、レアカードは高額で取引されることも珍しくありません。
たとえば、2007年には235万ドル(当時のレートで約2億8,500万円)の値で取引されたカードもありました。
人口3億人のアメリカでこれほど愛されているトレカであるため、NFT化された際も大きな脚光を浴びています。
MLBの野球カードをNFT化するメリット
注目度の高いMLBのNFT野球カードですが、アナログ版からNFT化することで具体的にはどのようなメリットを得られるのでしょうか。
以下に、MLBのNFT野球カードをNFT化するメリットを3つ紹介します。
メリット①:個人間で安心して取引ができる
1つ目のメリットは個人間で安心して取引ができることです。
トップス社が制作しているアナログ版のMLBの野球カードは高額で取引されたケースもあります。
しかし、個人間での高額な商品の取引は詐欺被害を生むリスクがあるため、仲介業者を介しての取引が主流となっています。
その点、NFTはブロックチェーン技術のもとで成り立つ取引なので、リアルな取引よりも安全
また、仲介業者を介さずに個人間で取引できるので、取引の工数を減らせることもメリットです。
メリット②デジタルコンテンツならではの加工ができる
2つ目のメリットはデジタルコンテンツならではの加工ができることです。
MLBのNFT野球カードはホログラムに動きを加えられるといったアナログ版では実現できないデジタル加工が可能です。
また、アナログ版のように傷や色褪せなどで品質が劣化しないこともデジタルならではの特徴といえるでしょう。
保存に場所を取ることや品質を守るための工夫が不要な点がメリットとなります。
メリット③収益化が見込める
3つ目のメリットは収益化が見込めることです。
NFTが誕生する前まではデジタルコンテンツは悪質な業者によってコピーや改ざんされることが多く、海賊版が出回る無法地帯となっていました。
しかし、ブロックチェーンを用いたNFTではデジタルコンテンツのコピーや改ざんを防ぐことができ、唯一性を担保できるようになりました。
これまで唯一性の担保が難しかったデジタルコンテンツに対して資産的な価値を与えられるようになったため、デジタルコンテンツの所有欲が出てきているとも考えられるでしょう。
そのため、アナログ版のMLBの野球カードも高額で売買されることも多いですが、MLBのNFT野球カードはより高額で売買される可能性があります。
高額で取引される主なMLBのNFT野球カード
ここでは、高額で取引される主なMLBのNFT野球カードを紹介します。
カード①大谷翔平選手
1人目に紹介するのは大谷翔平選手です。
大谷翔平はMLBのロサンゼルス・エンゼルスで活躍する、投手・打者の両方可能な二刀流の選手です。
2021年には、アメリカン・リーグ最優秀選手(MVP)に選ばれるといった目覚ましい活躍をしています。
そんな大谷翔平のトレカも2021年7月にNFT化され販売され始めました。
NFTトレカは発行数の多さやエディション番号(発行番号)によって価値の大きさが変わりますが、価値の高い同選手のカードに関しては数十万・数百万円で取引されているものもあります。
カード②ダルビッシュ有選手
2人目に紹介するのはダルビッシュ有選手です。
ダルビッシュ有はMLBのサンディエゴ・パドレスに所属する投手で、元々は日本ハムで活躍していたことでも有名です。
ダルビッシュ有のトレカもNFT化されており、レアなものだと10万円程の高値で取引されています。
カード③ホセ・ラミレス選手
3人目に紹介するのはホセ・ラミレス選手です。
ホセ・ラミレスはドミニカ共和国出身で、MLBのクリーブランド・ガーディアンズで活躍する打者です。
MLBの選りすぐりの選手が集結するMLBオールスターゲームには3度出場するといった活躍を見せています。
ホセ・ラミレスは輝かしい戦績を持つため、トレカも高額で取引されています。
MLBのNFT野球カードの購入手順
実際にMLBの選手のカードを集めてみたい方に向けて、ここからは購入手順を解説します。
手順①仮想通貨の口座を開設してWAXPを入手する
まずは、NFTを取引するために必要な仮想通貨の口座を開設しましょう。
MLBのNFT野球カードの取引ができるマーケットプレイスは「Atomic Hub」となり、使用される仮想通貨はWAXPです。
しかし、WAXPを取り扱っている国内の仮想通貨取引所は、2022年5月現在ではありません。
そのため、WAXPを入手するには取り扱いのある海外の取引所で口座開設する必要があります。
WAXPの取り扱いのある海外の取引所には、「HITBTC」や「Huobi」、「BINANCE」があります。
上記3つの取引所は海外の取引所としては珍しく、日本語に対応しているため日本人でも口座開設がそこまで難しくはないでしょう。
ただし、日本語が少々不自然な場合や、カスタマーサポートは日本語での対応がない場合があるので十分に注意しておく必要があります。
また海外の取引所で入手するには、はじめに国内の取引所で仮想通貨を入手する必要もあります。
そのため、入手した仮想通貨を海外の取引所のほうへ送金して購入するという流れになります。
国内には、主にCoincheckやGMOコイン、bitFlyer、DMMBitcoinなど数多くの取引所があるので、いずれかを選び口座開設しましょう。
そして、WAXPと交換できる仮想通貨であるビットコインを入手する必要があります。
ビットコインを入手し、海外の取引所へ送金することでWAXPを入手しましょう。
手順②WAXP用のウォレットを準備する
WAXPを入手したら、WAXP用のウォレットを準備しましょう。
ウォレットとは仮想通貨を保管する財布のようなものです。
取引所でも仮想通貨を管理できますが、ウォレットで保管することでハッキングのリスクの軽減や資産の分散管理ができるため、ウォレットを活用する人が多い傾向にあります。
NFTの取引でよく使われるウォレットの1つとして「メタマスク」がありますが、これは「イーサリアム」という仮想通貨に対応したものであるためWAXPでは使えません。
WAXPには「WAXウォレット」と呼ばれる専用のウォレットがあります。
WAXウォレットはTwitterやFacebook、Googleなどのアカウントから作成が可能です。
アカウントを作成できたら、取引所で購入したWAXPを送金してウォレット内で保管するようにしましょう。
手順③ウォレットとマーケットプレイスを接続する
WAXウォレットを入手したら、ウォレットとマーケットプレイスを接続します。
トップス社のMLBのNFT野球カードはシングル買いとパック買いの2通りから選びましょう。
シングル買いは自分の欲しい特定のカードを購入するもので、マーケットプレイスでの取引から入手できます。
一方、パック買いは不特定のカードが複数枚入っているパッケージを購入するもので、マーケットプレイスでの取引、もしくはトップス社の公式HPから購入できる仕組みとなっています。
トップス社のMLBのNFT野球カードは「Atomic Hub」というマーケットプレイスで取引されることが多いです。
Atomic HubのHPからログインボタンをクリックすると、ウォレットとの接続案内があるので、そこで紐づけを完了させましょう。
なお、ウォレットとマーケットプレイスの接続ができれば、マーケットプレイスでのアカウント登録は必要なく、そのまま取引できるようになります。
手順④希望のNFTカードを購入する
ウォレットとマーケットプレイスの接続を完了させたら、希望のNFTカードを購入しましょう。
メルカリやラクマのような転売市場と同様に、同じカードでも違う価格設定がされています。
そのため、フィルター検索といった機能を活用しながら安く手に入れられるような工夫をしましょう。
また、仮想通貨の値段は上下するため、WAXPの値段も上下します。
そのため、同じカードでも日によって必要となる資金が異なる点に注意しましょう。
NFT野球カードの今後の展開
MLBのNFT野球カードも誕生して間もないサービスですが、今後はさらなる発展をしていくことが予想されます。
ここからは、NFT野球カードの今後の展開を紹介します。
予想①NFT界隈自体が発展していく
1つ目にNFT界隈自体が発展していくことが予想されます。
デジタルコンテンツに唯一性を担保させるNFTが誕生したのは2010年代後半となり、誕生してから5年も経ちません。
そして、ニュースや雑誌などのメディアで取り上げられるようになったのは2021年頃からです。
そのため、世の中にはNFTの存在自体を知らない人のほうが多数を占めており、これから認知度が高まるにつれてNFTの取引が活発になることが予想できます。
NFT市場に活況が出てくると、数多くのユーザーから人気のあるMLBのNFTはユーザーが増えてより高値で取引されるようになることが期待できるでしょう。
予想②バーンによって価値が跳ね上がる可能性がある
2つ目にバーン(焼却)によって価値が跳ね上がる可能性があることが予想されます。
バーンとは仮想通貨を焼却することにより、全体の流通量を減らすことをいいます。
たとえば、これまで紹介してきたMLB公認のNFT野球カードでもバーンが可能で、バーンをすることでNFT市場での発行枚数が減り、相対的に希少価値が高まることになります。
NFTカードは発行枚数が決まっていて希少価値があるものの、バーンによって価値がさらに上昇するでしょう。
このようにMLBのNFT野球カードは投資の面でも優れているので、市場がさらなる注目を集める前に参入しておくと、のちに大きな利益を得られるかもしれません。
予想③日本企業も市場に参入し始める
3つ目に日本企業も市場に参入し始めることが予想されます。
アメリカでは賑わいを見せているMLBのNFT野球カードですが、日本ではまだまだ認知度が低い状況でした。
しかし、2021年11月末には、ディー・エヌ・エーとその傘下のプロ野球チームである横浜DeNAベイスターズが、NFTを活用した「PLAYBACK 9」というサービスを開始すると発表しました。
PLAYBACK 9は、横浜DeNAベイスターズの選手が活躍する場面の映像データを販売し、購入した方は専用サイトのアルバム機能を使って視聴できる映像をコレクションできるものです。
映像データの販売数には上限があり、これまでの映像配信サービスのように同じ映像データを複数の人が入手できるわけではありません。
映像データのNFTを個人間で売買できるような仕組みを用意する予定もあり、希少価値のある映像データは価格が上がる可能性も秘めています。
そして、横浜DeNAベイスターズ以外にも埼玉西武ライオンズがすでにNFT市場に参入しており、今後はほかの日本の球団も進出することが期待されています。
MLBのNFT野球カードは今後より盛り上がりを見せる
MLB公認のNFT野球カードは、トップス社が発行するMLBの選手のトレカをNFT化したものです。
アナログ版は70年近い歴史があり、多くのコレクターが存在していたことから、NFT化された野球カードは今後ますます注目を集めるようになるでしょう。
元々アナログで集めていた方は、NFTが注目されている今から始めてみるのもおすすめです。