NFTの新しい形である「Loot」をご存じでしょうか?
これまでNFTとして管理されてきた音楽や写真などのデジタルデータとは違い、「Loot」はテキストだけのNFTとして世界に衝撃を与えました。
そこで本記事では新しいNFTの形である「Lootの基本情報や購入方法」「独自のトークンであるAGLD」についても紹介します。
Lootについて詳しく知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
Lootとは
Lootとは6秒ショート動画を共有するアプリケーションであるVineの共同創業者Dom Hofmann氏によって2021年8月末に突如公表されたNFTです。
一般的なNFTの概念として「写真や動画などのデジタル作品をブロックチェーン技術で所有権を与えることで、偽造や改ざんがされない唯一無二の価値」として管理されてきました。
Lootは8つの単語(アイテム)を1つのNFTとしており、この1つのセットをbagと呼びます。
テキストのみで構成されているため、イラストや音楽も付いておらず、プラットフォームとなるコンテンツもないNFTである点が特徴です。
たとえば映画を見ようと思った際に、登場人物のみが公開されていると想像してみてください。
登場人物だけではどのような映画なのかが一切想像できないでしょう。
しかし、この登場人物を見た人たちがどのような映画にしたいのか、ストーリーを考え衣装を作成し、登場人物の関係や音楽などをそれぞれで持ち寄って肉付けしていくことで1つの作品となります。
Lootでは上記のような作品作りの材料である8,000種類のNFTアイテムが、リリース当初は無料で配布されました。
配布されたLootはブロックチェーン上に管理されていることでオンチェーン状態となり、誰でも見ることが可能です。
そのため、オンチェーンとなったLootに興味を持った人たちが自分の得意分野を持ち寄ってコンテンツ作りに参加し、1つの作品を完成させることがゴールとされています。
Lootを形成しているアイテム
Lootには「戦利品」「勲章」という意味があり、Lootを形成している8つの単語とはRPGゲームに出てくるようなアイテムの単語となっています。
このアイテムを材料として設定を追加するプロジェクトが進められ、それぞれを組み合わせたコンテンツ・サービスの完成を目指します。
bagに入っている8つのアイテム
- 武器
- 頭
- 手
- 足
- 首
- 胸
- 腰
- 指輪
上記のように武器や頭につける防具、ネックレスや指輪などが1つのセットとして、bagのなかに入っています。
AGLDとは
AGLDとはLootのガバナンストークンです。
AGLDはゲーム内通貨やコミュニティの投票権として使用されます。
Lootがリリース日より注目を集めたことでAGLDにも注目が集まり、リリースから4日で1AGLDが約500円まで一気に価格が上がりました。
Lootが公表された2021年8月末に8,000種類のNFT Lootが無料で配られ、NFT Loot
を所有している人には10,000AGLDものガバナンストークンが配布されました。
2022年1月現在では1AGLDは約115円となっているので、単純に約115万円を無料で配布したと考えるとよいでしょう。
しかし、まだLootのプロジェクト自体が完成していないため、AGLDは追加設定のプロジェクトであるコミュニティの投票権のみに使用され、将来的にはゲーム内通貨として使用できるようになります。
Lootを完成させるための主なカテゴリー
Lootはカテゴリーに参加した人たちが、どのようなプロジェクトを進めていくかによって完成形は大きく異なります。
そこで、ここからはLootを完成させるために進められているカテゴリーを紹介します。
主な2つのカテゴリーに関して、それぞれの詳細をみていきましょう。
①:コミュニティ
コミュニティではLootのゴールを目指すために、プロジェクトを進められます。
どのようなプロジェクトを構築するのかの話し合いや、Lootをよりよくするためのアイデアをコミュニティに参加している人同士で出し合うことができます。
たとえば、キャラクターやストーリー・世界観・デザインなど、組み込めるプロジェクトの上限はありません。
どのようなプロジェクトをLootに組み込むかを想像して作成することで、目指せる完成形は幅広くなるでしょう。
②:ギルド
ギルドは対象となるLootアイテムを持っている人だけが参加できます。
たとえば、Katana Gardenというギルドでは「Katana」のNFTを持っている人しか交流ができません。
具体的にどのようなことを行うのか、ギルドメンバーしか知ることができない仕組みです。
ギルドメンバーになるためには、特定のアイテムを持っているという証明が必要となります。
Lootの3つの特徴
ここからはLootの3つの特徴を紹介します。
特徴①:誰でも参加ができる
Lootの大きな特徴として、Lootの方針に興味を持った方であれば誰でも参加ができることが挙げられます。
LootはこれまでのNFTとは異なり、ゴールとなるコンテンツが一切完成していません。
そのため、サービスに関心を持ったLootを所有している方であれば誰でも参加することが可能であり、さまざまなプロジェクトを通してイラストや音楽などを追加できます。
また、Lootの特徴としてボトムアップ型であることも挙げられます。
これまで、どのようなプロジェクトであっても、プロデューサーや監督などが作成して完成されたコンテンツがトップダウン式に共有され、全容が決まった後のリリースが一般的でした。
しかし、Lootではコミュニティに参加したユーザーが自由にコンテンツ作りに参加できるので、キャラクターのイラストから音楽まで自由に追加できます。
最終的にどのようなコンテンツとなるのかは、コミュニティに関わるプロジェクトによって変わるといえるでしょう。
特徴②:急激な注目によるLootの価格高騰
Lootはリリースされてから、わずか5日間で売上が約4,600万ドル(日本円で50億以上)となり、時価総額は約1億8,000万ドルを突破するなどの急成長を遂げています。
また、急激な注目を浴びたことにより、Lootの価格がとてつもない勢いで高騰しました。
リリース当初は8,000種類のLootを無料で配布していましたが、一時期は約2,000万円もの金額を支払わなければ手に入れられないこともあったほどです。
すでにLootを活用したプロジェクトも派生して進んでおり、これからもさまざまなコミュニティが増えることを想定すると、Lootの価格が急激に下がる可能性は低いといえるでしょう。
特徴③:Loot系NFTの将来性
いち早くLootを活用したプロジェクトが公開されるなど、NFT Lootの将来性も特徴の1つです。
国内では一般社団法オタクコイン協会とCryptoGames株式会社が、Lootを活用した共同プロジェクト「AnimeLoot:アニメ版Loot」を発足させました。
初期設定として登場人物であるキャラクターの種族・性格・性別・出身のみを無料で配布することで、アニメのイラストや世界観などがコミュニティ参加者によって作成されています。
AnimeLootはLootを活用した新たな挑戦であることから、これからもアニメのジャンルに関わらずさまざまなジャンルにLootが活用されるといえるでしょう。
NFT Lootを購入する方法
ここからは実際にLootを購入する際の手順を紹介します。
Lootは国内取引所での購入が可能で、対応している取引所はコインチェックやGMOコインなどです。
今回はコインチェックを例にそれぞれの流れを解説します。
手順①:国内取引所で口座開設
まず国内取引所に口座を持っていない方は、新しく口座を開設するところから始めましょう。
コインチェックに新規会員登録を行って口座を開設します。
口座開設の際はメールアドレスやパスワードの設定、本人確認書類の提出が必要です。
本人確認書類
運転免許証(両面) |
運転経歴証明書(両面:2012年4月以降に交付されたもの) |
パスポート(顔写真、住所記載ページのみ) |
住民基本台帳カード(両面) |
特別永住者証明書(両面) |
在留カード(両面) |
個人番号カード(表面のみ) |
上記書類のいずれか1つがあれば問題ありません。
両面必要な書類と表面のみ必要な書類、指定のページのみ必要な書類もあるので間違えないように注意しましょう。
手順②:仮想通貨の購入
Lootを含めたNFTの取引の主要通貨はイーサリアムとなるので、今回はイーサリアムを例に紹介します。
新しく口座の開設ができれば、続いて仮想通貨の購入をするために日本円の入金を行いましょう。
まずは登録したコインチェックのアプリケーションを開いて、メニュー欄にある「販売所」を押しましょう。
すると、購入できる仮想通貨の一覧が表示されますので、そのなかからイーサリアムを選びます。
自分の購入したいイーサリアムの数量を入力すると、購入に必要な金額が日本円で表示されるので、表示された金額で問題なければ「購入する」を押して、購入手続きは完了です。
手順③:ウォレットへの送金
仮想通貨の購入ができれば、続いてウォレットに仮想通貨を送金します。
ウォレットとは仮想通貨を保管しておく財布のようなものです。
ウォレットにもさまざまな種類がありますが、今回は初心者でも簡単に活用できる「Metamask」を例に紹介します。
仮想通貨を送金するために、まずはMetamaskへの登録を行いましょう。
Metamaskを起動するブラウザは無料でインストールできるGoogle Chromeがおすすめです。
登録を行う際は8文字以上のパスワードが必要となりますが、セキュリティを高めたい方は20文字程度のパスワードを設定しておくとよいでしょう。
また、パスワードの設定が完了するとバックアップ用のパスワードが別途表示されます。
これはパソコンやスマートフォンが万が一紛失・破損した場合に、データを復元するためのパスワードとなるので、他人には見えないところにしっかり保管しておきましょう。
登録が完了すれば、購入した仮想通貨をウォレットへと送金できます。
コインチェックにログインしてメニュー欄にある「コイン送金」をクリックすると、送金する仮想通貨を選べるので「Ethereumを送る」を選びましょう。
送金したい金額を入力して上乗せされた手数料に問題なければ、Metamaskへと送金して完了となります。
手順④:マーケットプレイスでNFT Footを購入
ウォレットへの入金が完了すれば、最後にマーケットプレイスでNFT Lootを購入します。
すでに複数のマーケットプレイスがリリースされていますので、今回はOpenseaを例に紹介します。
購入を行う前に、OpenseaとウォレットであるMetamaskを連携させる手順が必要です。
Openseaのトップ画面にある「Create」を押すと、ウォレットの選択画面へと移動しますので、そこでMetamaskを選択しましょう。
すると、使用するアカウントが表示されるので、自分のものか確認をして間違っていなければ、「接続」を押します。
次に署名ボタンをクリックして、ユーザーネームとメールアドレスを入力するとOpenseaよりメールが届きます。
文中にある「VERIFY MY EMAIL」を押すと、Metamaskとの接続は完了です。
接続ができればOpenseaのトップページへ移動して、購入したいNFTを選んで「Buy Now」を押しましょう。
自動的に決済画面へと移動するので、表示された金額に問題が無ければ「チェックアウト」を押して、Lootの購入は完了となります。
NFT Lootの今後の予測
すでに急成長を遂げているLootですが今後どのように成長していくのか、今後の予測を最後に紹介します。
メタバースゲームへの進出
予測されることの1つにメタバースゲームへの進出があります。
メタバースとは現実世界とは別の仮想空間のことで、メタバースゲームは仮想空間をテーマとしたゲームのことを指します。
国内で有名なメタバースゲームですと、Minecraft(マインクラフト)やモンスターハンターシリーズなどが挙げられます。
メタバースゲームは運営会社より決められた世界でのみプレイできるゲームのため、ストーリーが気に入らないことや音楽が気になるなどのことがあっても変更することはできません。
しかしNFT Lootでは自分たちでストーリーやキャラクターの設定、音楽も作ることが可能です。
オンラインの環境があれば誰でも参加できることから、今後メタバースゲームへの進出も考えられるでしょう。
価格の高騰による参入者の減少
価格の高騰による参入者の減少も、Lootに関する予測の1つです。
リリース日より注目を集めて急成長を遂げているLootですが、興味はあるものの金額面から参入できない人もいます。
Lootには一部の限られた人たちのみで運営され、参入者が伸びずにこれ以上の拡大ができない可能性があります。
LootはNFT業界において画期的なものではありますが、改善しなければならない点があることも事実です。
Lootは自由にコンテンツが作れるNFTでありその専用トークンがAGLD
いかがでしたでしょうか?
Lootはbagに入っている8つの単語をセットに、1つのNFTとしてブロックチェーン上に管理されているものです。
Lootに興味を持った人たちでコンテンツ作りに参加することで、1つの作品を完成させることがゴールとされています。
初期設定しかされていないテキストに、イラストや音楽などの追加設定を加えるためのコミュニティに参加して、さまざまなプロジェクトをつなげて1つの作品にします。
また、リリース日より注目を集めたことで、ガバナンストークンであるAGLDの価格も高騰しました。
これからもNFT LootとAGLDの人気は続くといえるでしょう。
NFT Lootの購入を行う際はウォレットとマーケットプレイスへの登録が必要です。
国内取引所で購入できるので、コインチェックやGMOコインなどの取引所で口座の開設を行った後にウォレットをつなげて、お好きなNFT Lootを購入してみましょう。