NFT不動産とは?現実の不動産との違いやNFT不動産のメリット・デメリットを解説

NFTが「不動産業界」にも取り入れられていることを知っていますでしょうか?

新しい投資方法として注目されているNFT不動産が、一体どのようなものか気になる方も多いかと思います。

そこで本記事では「NFT不動産とは一体何なのか」「現実の不動産との違い」「メリット・デメリット」まで詳しく解説していきます。

NFTとは?【初心者向けに解説】

NFTとは非代替性トークンと呼ばれるデジタルデータに唯一性を示す証明書を付与できるシステムです。

従来ではデジタルアートや音楽などのデータは簡単に複製・改ざんができてしまうことが問題でした。

しかしNFTはブロックチェーン技術を使いデータを複数の管理ボックスに記録することで、複製・改ざんがほぼ不可能な状態にしたのです。

さらに、作成者の記録を半永久的に保管できるため、どんなに転売されても作成者の情報が記録されるため価値を失うことはありません

デジタルデータそのものが本物であるという証明が可能であるため、デジタル作品の価値が従来よりも大きく上がり高額で取引されるようになりました。

以下の記事でNFTのイロハを紹介していますので、分かりづらい方は以下の記事を参照してください!

関連記事:NFTとは?仮想通貨の違いやNFTの特徴、将来性や活用事例まで徹底解説!

NFT不動産とは?現実の不動産との違いも解説

NFT不動産とは「バーチャル世界だけでなく、現実の土地や物件を非代替性トークンに変換してデジタル資産として所有すること」を指します。

くおりん
要は、バーチャル上の土地や物件の所有もできるし、リアルな世界の不動産もデジタル資産として所有できるよ!ということです。

 

現実世界の不動産は実際の土地や建物の売買を通して購入者の資産となります。

しかし現実世界の不動産をNFT化をすることで、デジタル上でも現実世界の不動産取引が行えるようになりました。

つまり、「現実の不動産」と「NFT不動産」の違いはデジタル上で資産化できるかどうかという点です。

くおりん
ただし、資産としてはデジタル資産となるため、基本的には仮想空間での土地売買に使われる場合が多いですよ。

NFTとバーチャル不動産

NFT不動産と関係の深いものに「バーチャル不動産」というものがあります。

バーチャル不動産とは「仮想空間(メタバース)上にある土地や建物を売買すること」です。

主にバーチャルな世界において、ユーザーが芸術的な建築物を建てた場合やゲーム内で需要価値の高い土地などに対して売買が行われます。

代表的な例として、2021年にリリースされた「The Sandbox」というゲームがあります。

The SandboxはNFTゲームとして作成されたアイテムやデータをすべてブロックチェーン上で管理し、唯一性のあるものとして付加価値がもたらされています。

ゲーム内では自由に建築や農業を楽しむことができて、仮想空間上に建築物やアート作品・ジオラマなどを作成できます。

それらはすべてNFT化されているため、人気のある土地や建物はデジタル上で取引されています。そのことを「NFT不動産・バーチャル不動産」と呼んだりします。

また、ゲーム内で使えるSANDと呼ばれる通貨は、NFT関連銘柄として高額で取引されています。

NFT不動産の3つの特徴

ここからはNFT不動産の3つの特徴について解説していきます。最低限知っておきたい情報です。ここで理解しておきましょう!

①:小口化された所有権

NFT不動産の1つ目は「1つの土地や建物に対して所有権を細かく分割して小口投資ができる」ことです。

現実世界の不動産売買では、一定の面積をもつ敷地を購入しない限り上手く土地活用ができないため、ある程度のまとまった費用が必要でした。

しかし、NFT不動産は敷地をトークンとして細かく分割して複数のユーザーに販売できます。
これを「フラクショナル・オーナーシップ」と呼ばれます。

つまり、購入者はほかのユーザーと所有権を共有することで、小額で敷地の購入ができます

このように、所有権を分割することで小口投資がしやすくなり、従来のハイリスクハイリターンの不動産事業とは別の切り口で投資活動が可能となります。

②:現実世界とデジタル世界の融合

現実世界とデジタル世界の融合で不動産売買が行われるケースが増えてきました。

例えば、「現実世界で売られている物件を実際に購入した場合、有名アーティストによる限定NFTアートが見られる」といった付加価値をつけて販売された事例もあります。

現実世界で海外の物件を購入したいと思ってもかなりの手続きが必要となって購入までに時間や手間がかかります。

しかしNFT不動産の場合、海外の物件でも簡単に取引できるため、海外不動産事業への参入ハードルが低くなったともいえます。

③:現実世界と同様にローンが組める

現実世界のようにローンを組むことも可能です。

現実世界においてローンを組む場合、金融機関から一定額を借りて土地を購入し、長期間にわたって返済をしていくという形です。

NFT不動産でも同様に、融資プラットフォームと呼ばれる場所から所有しているNFTを担保にして仮想通貨の融資が受けられます

過去に約140万ドル(約1.6億円)の融資を行った事例もあり、現在のNFT市場拡大にともなって利用者が増えています。

NFT不動産のメリット・デメリット

ここではNFT不動産のメリットとデメリットをそれぞれ解説していきます。メリットだけでなく、デメリットも把握しておきましょう!

メリット

メリットとしては投資方法の幅が広がって誰でも簡単に投資できる」ことです。

上述した通り、デジタル上の不動産売買も可能ですし、現実世界の土地や建物の小口投資も可能です。

また、不動産はデジタル資産として一定の価値を持っており、大きな価値の変動も起きにくいと考えられているため、安定した資産として残しておくこともできます。

従来のハイリスクハイリターンな投資から、安定した低リスクの投資ができるようになったことで注目を集めています。

デメリット

デメリットは「参入している企業も少なく利用者もまだまだ限られている」ことです。

比較的新しい技術であるため、認知度も低く現時点では日本国内での利用者が少ないのが課題です。

くおりん
2021年の現時点では、主に海外ユーザーとのやり取りが多い状況となっています。

というのも、現実世界でも不動産は唯一性が保たれており、安定した資産として取引が活発に行われているため、大手企業としてはリスクを背負ってでも無理に参入する必要性がないことが挙げられます。

それゆえ、ほかの業界に比べてNFT不動産の市場拡大のスピードが比較的遅い傾向にあります。

現実の不動産に与える影響やリスクはある?

結論、NFT不動産が現実に与える影響は少ないと考えられています。

その理由は、現時点で参入している不動産会社が少ない分、話題性にも欠けていて取引ユーザー数も少ないからです。

上述した通り、現実世界でも不動産自体が資産としての唯一性が保たれているため、わざわざ「非代替性トークン」に変換するメリットが薄いことが挙げられます。

このように、リスクという点において、従来の不動産事業を行う方が安心・安全に取引が行えるため、今のところ現実世界の不動産事業に対して大きな影響は出ないと考えられています。

NFT不動産で成功した事例

少しづつ認識度が上がってきた「NFT不動産」。実は国内外問わず、高額で取引された事例はいくつかあります。

ここからはNFT不動産で成功した事例を3つ紹介していきます。

事例①:マーズハウス

1つ目の事例は仮想空間に建築されたマーズハウスです。

アーティストであるクリスタ・キムがバーチャル火星にガラスを主体とした仮想世界のアバターが住める住宅を建築しました。

その住宅をNFT化し、購入者が利用するバーチャル世界にアップロードできるようにしたところ、50万ドル(5,500万円)以上で購入されました。

くおりん
興味深いことに、現実世界でもこの住宅が再現可能な家として注目を集めています。

事例②:キエフにあるアパート

2つ目の事例はキエフにある実在しているアパートです。

現実の物件が初めてNFTのオークションに出品されたとして注目を浴び、2万ドル(約218万円)からスタートとなりました。

この物件の落札者にはアパートの所有権とともに、人気アーティストによるデジタルアート作品のNFTを獲得できるようになっています。

事例③:山中湖の山荘

3つ目の事例は日本国内で初のNFT不動産「山中湖の山荘」があります。

MBK社が株式会社世界と業務提携をして、山中湖に実際にある山荘をNFT化すると発表しました。

まだ販売はされていませんが、登記簿謄本や所有権などをトークン化するといった情報を発表し、世界中の投資家の関心を集めています。

NFT不動産の将来性や今後の展望

安全かつ手軽な取引手法としてNFT不動産は画期的な事業です。

しかしNFT不動産が普及されるにはまだ時間が掛かると推測できます。

なぜなら、企業の参入や利用者がまだ少ないため、他の業界に比べて市場拡大のスピード遅いからです。

とはいえ、今後さらにNFTが一般化することでNFT不動産が新しい投資方法として注目を浴び、ユーザーが増加する可能性はあります。

不動産以外でNFTが活用される主な業界3選!

不動産業界以外にもNFTは多くの業界で活用されています。ここからは不動産以外の業界でNFTが活用されている事例を紹介していきます。

業界①:アート業界

日本国内でNFTが広く注目されるきっかけになった業界が「アート業界」です

例えば、日本の小学3年生である「ゾンビ飼育員(Zombie Zoo Keeper)」くんがデジタルアートをNFT化して出品。

その後、有名DJがその作品をSNSのアイコンにしたことで、その作品の知名度が一気に広まり、ゾンビ飼育員くんが制作した作品は高額で取引されるようになりました。

このように、NFTによってデジタルアートの作品の価値が高まり、アーティストにとって有利な環境となりました。

業界②:ゲーム業界

NFTはゲーム業界にも影響を与えています。

NFTを利用することで新しくNFTゲームの分野が確立され、世界中で人気のゲームがいくつもリリーされています。

くおりん
単なるネットゲームだけではなく、トレーディングカードゲームからバトルゲームなどさまざまな種類があります。

ゲーム性として楽しくことは当然ながら、投資目的としてプレイするユーザーも多いのが特徴です。

中にはゲーム内で稼げる仮想通貨をNFT関連銘柄として取引するものもあり、プレイするだけで大きな収益が得られることもあります。

また、自分でオリジナルのキャラクターやアイテムを作成して出品することにより、高い収益を得ているユーザーもいます。

関連記事:NFTゲームのおすすめ人気ランキングTOP5!始め方や稼ぎ方まで徹底解説!

業界③:音楽業界

音楽業界でも世界的に有名なアーティストがNFT化した音楽を出品したとして話題になっています。

これまでネット上にアップロードされた音楽データは不正にダウンロードされることや転売が頻発していました。

しかし、その音楽をNFT化することによって不正なダウンロードや転売のリスクが激減し、作成者に利益の一部が還元されることで注目を浴びています。

無名だったアーティストの音楽が突然人気が出て高額で取引されることもあるので参入を決めたアーティストが増えていています。

NFT不動産は現実・仮想空間の土地や物件を売買できる新しい手法

NFT不動産は現実世界や仮想空間にある土地や物件を売買できる画期的な投資方法です

日本での定着はまだ先になると推測できますが、既に海外ではいくつかの物件が販売されており高額で取引されている事例があります。

ブロックチェーン技術によって資産としての信用性も担保されているため、手軽に投資したいという方にはおすすめの方法となっています。

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