2021年に入って一気にNFTが注目されるようになりました。
小学生が夏休みの自由研究で描いた作品が数百万円で取引されたり、海外のアート作品が数億円の価値がついたりと、高額取引されたニュースを聞いたことがある方もいるでしょう。
NFTに関するニュースを知って、一発逆転できるかもと考えたクリエイターは少なくないのではないでしょうか?
しかしクリエイター達の多くは「自身のNFT作品が売れない現状」に悩んでいます。
そこで本稿では「NFTが売れない理由とその対策」を解説します。
もしあなたが今、「NFTが売れない‥。」と悩んでいるなら参考になる話です。
ぜひ今後のクリエイター活動に活かしてください!
関連記事:NFTとは?仮想通貨の違いやNFTの特徴、将来性や活用事例まで徹底解説!
NFTが売れない7つの原因とは?
NFT販売に挑戦した多くのクリエイターが頭を悩ませている問題ですが、大きく分類すると7つの理由があります。
まずは「売れない7つの原因」について1つずつ解説していきますので、NFTが売れない理由を知り、その後に対策を立てていきましょう。
原因①:売るための誘導ができていない
NFTが売れないと悩んでいるクリエイターの多くは、売るための誘導ができていません。
NFTがお金になると聞き、作品を作ってマーケットプレイスに出品してみた。
自分のSNSで発信してみたけど、全く作品が売れない…
このような流れが一般的でしょう。
この流れはまったく作品を売るための誘導ができていません。
誘導をするためには、作品を売るためには何をしていくのかを逆算して考えないといけないのです。
ここが出発点になっていないので、NFTが売れないといえるでしょう。
原因②:マーケティングに詳しくない
NFTが売れないというクリエイターの多くは、マーケティングに詳しくありません。
売れるNFTにするには何をしたらいいかを仕組化するのがマーケティングです。
まずは、NFTマーケットプレイスで売上が上位に入っている人たちの作品を見てみましょう。
そうすると作品に共通する何かが必ずあります。
作品が売れる条件分析をしていくのがマーケティングです。
原因③:単なるパクリ作品になっている
NFTの価値というのは、唯一無二のオリジナル性にあります。
そのため、似たような作品が売れることはありません。
自分の作風だとNFTが売れないからと「売上上位に入っている人の作風を真似て作品を作る」という安易な考えをする人もいます。
ですが、唯一無二のオリジナル性こそが重視される世界であるため、単なるパクリ作品になってしまうと価値がなく売れないのです。
原因④:トレンドについて行っていない
現在、売れているNFT作品とはどんな作品が多いのかを知ることも大切。
トレンドを無視した作品はニッチな需要を満たす可能性はありますが、大きな需要には対応しません。
特に新人として参加するのであれば、やはりトレンドを見極めた作品作りをしていく必要があるでしょう。
要するに「クリエイターが売りたい作品が売れる」のではなく「ユーザーが買いたい作品が売れる」ということです。
原因⑤:SNSを上手く活用できていない
NFTの場合はインターネットが主戦場となるため、SNS宣伝は重要な意味を持っています。
どんなに優れたアートであっても、誰も知らないなら意味がありません。
SNSも1つにこだわるのではなく、複数使って宣伝をしていきましょう。
また、NFTは日本国内ではまだ知名度が低く主なターゲットは海外になるため、英語で発信するなどの工夫も必要でしょう。
原因⑥:独自性がなく目に止まらない
誰でも作れそうな作品や独自性がまったくない作品は、目にも留まらずお金を出す人もいません。
NFT作品は唯一無二のオリジナル性があるからこそ、お金を払ってでも所有したいと思うからです。
値段設定など様々な要因が重なって、1つや2つの作品は売れるかもしれませんが、偶然売れただけなので、売上が継続して出ることはないでしょう。
そのためトレンドに寄せることは必要ですが、プラスしてクリエイター自身の個性やアイデアを反映させないといけません。
原因⑦:クオリティ自体が高くない
日本市場におけるNFTでは、他を圧倒するような画力を持つ人や可愛いイラストやアートが人気になっています。
もちろん中にはクオリティが低くても売れている人もいます。
例えば、高値で取引された小学生の夏休みの自由研究で描いた作品は、クオリティ自体は高くはないでしょう。
ですが、バックグラウンドにストーリーがあります。
こうしたストーリーがないのであれば、作品のクオリティが大切です。
NFTを売るために必要な考え方
NFTが売れない理由について述べてきましたので、次にNFTを売るためにはどんな考え方が必要なのかを確認していきます。
ユーザーが買いたくなるような作品提供をするためには、どういう作品を作るべきかをクリエイターが客観的に把握しないといけません。
そのための3つの方法を紹介していきます。
自分の強みや特徴を再確認
自身の作品には、どんな強みや特徴があるのかを探し出してください。
自身の作品の傾向について再確認し、強みや特徴ががない場合は1つでも良いので自分の経歴を振り返って強みを作りましょう。
自分の好きなように自由に作品を作るのが、クリエイターです。
ですが、作品を売りたいのなら、ある程度は自分の特徴が分かりやすい作品にしないといけません。
作品愛をしっかりと持つ
NFT作品が売れているクリエイターは、どんな人でも共通して自分の作品愛が強い傾向にあります。
クリエイター自身が大切にしていない作品を、第三者が購入するとは思えません。
つまり「NFTを売ってお金を儲けたい」という思いが先に来ない作品の作り方が大切です。
売ることを意識しすぎるばかりに、作品愛を持てないような作品を作っても売れないので、この点には特に気をつけましょう。
買ってほしい人をイメージする
最初にどんな人に買って欲しいのか、この点をよく考えてから作品を作っていくといいでしょう。
もちろん自分の考え通りに行かないこともあり、別のところで人気に火がつくかもしれません。
ですが、どんな業界であっても、まずターゲットを決めてから「ターゲットが求める商品」を作っていきます。
NFTが売れない時にやるべき8つの対策
では、売れない人が行うべき対策を、1つずつ解説しながらお伝えしていきます。
ただし、ここで挙げた対策をすれば、絶対に売れるという訳ではありませんし、時間がかかる対策もあるので直ぐに結果が出ることも稀でしょう。
ですが、継続していれば現状よりは改善していきますので、ぜひ実践していってください。
対策①:二次創作に参加する
自分の名前を売るための方法の1つになるのが、二次創作に参加することです。
NFT作品が売れないクリエイターの多くは知名度がありません。
そのため、最初は自分の名前を売っていくことが重要になります。
二次創作とは、既に商業化されて人気のある作品のキャラクターを使って、自分なりの作品をSNSなどで発表していく手法のことです。
有名な作品のキャラクターであれば、そのファンの人たちが二次創作を見るためにSNSに登録してくれるでしょう。
- 知名度を上げる為の戦略
- 元ネタのファンの取り込み
対策②:SNSで情報発信していく
知名度をアップさせていくために、SNSで積極的に情報を発信していくことも重要です。
もちろんクリエイターとしての活動が認められないといけないので、1日に1枚イラストをアップするなど、企画として情報を発信するといいでしょう。
その中でオリジナルの作品だけではなく、二次創作なども混ぜ込んでいくのも1つの方法です。
また、1つのSNSにこだわる必要はありません。
複数のSNSを使いながら、自分の作品をアピールしていきましょう。
- 企画を立てて情報発信する
- 二次創作で元ネタのファンの取り込み
- 複数のSNSを使う
対策③:トレンドの取り入れ方を学ぶ
ランキングの上位にいる人たちの作品を見て、どの程度までトレンドを取り入れるのか、自分の作風を見ながら作り上げていくのをおすすめします。
NFT作品が売れない理由に、トレンドを取り入れていないことがあります。
しかし、自分の作風を殺してトレンドを取り入れすぎるとオリジナリティがなくなり、NFTとして売れません。
丁度良いバランスを見極めるのは難しい作業かもしれませんが、トライ・アンド・エラーで一歩ずつ進めてください。
- 売れない理由の1つはトレンドを取り入れていない
- 自分の作風を殺すとオリジナリティがなくなる
- トレンドと自分の作風のバランスを取る
対策④:インフルエンサーにGIVEする
特にNFT関連で有名なインフルエンサーに取り上げられると、そのクリエイターは一気に知名度を高めることができます。
それだけではなく「あの人が買ったのだから自分も」と考える人も増えるでしょう。
ただ、簡単にはインフルエンサーに取り上げてもらうことはできません。
そこで「GIVE」といって、自分の作品をプレゼントしたりして、お近づきになる手段をとっていくのも1つの方法。
自身のSNSのフォロワーを増やしたい時にも有効な手段です。
他にも「フォロワーが1000人増えたら1名にイラストをプレゼント」などの企画を作るやり方もあります。
- インフルエンサーの力を借りて知名度を上げる
- お近づきになる為の「GIVE」をする
対策⑤:ランキングサイトをチェック
最低でも週に一度はランキングサイトをチェックしてどんな作品が売れているのか、トレンドを把握しておきましょう。
NFT作品を売るためにはトレンドの把握が重要です。
その時に気づいたことをメモしてデータを集積しておくと、より意味を持つものになります。
売れているNFTのトレンドを掴むだけではなく、どういう風に推移していくのかを見ていくといいでしょう。
- 最低でも週1でランキングをチェック
- メモを蓄積してデータにする
- トレンドの推移を見る
対策⑥:コミュニティに参加する
ゼロから立ち上げてコミュニティを作り上げていくのは大変なので、別のコミュニティに参加して、そこでファンを獲得していくのも1つの方法です。
コミュニティというのはSNSのフォロワーや、自分の作品を応援してくれる人を指します。
NFTが売れない理由としては、自分のコミュニティを持っていないことも1つの理由です。
前述した「二次創作を発表する」というのも、別のコミュニティに参加する方法に該当します。
- 立ち上げではなく既にあるコミュニティに参加
- 自分のフォロワーやファンを獲得する
対策⑦:同じ環境の仲間をSNSで作る
コミュニティを作るという意味で、もう1つの方法として提案できるのが同じ環境の仲間をSNSで作ることです。
NFTが注目されたことで参加したクリエイターは多いのですが、そのほとんどが売れてないのでSNSで発信をしている人が多くいます。
SNSを使って同じ環境の仲間を作り、仲間の間で様々な手法を共有して試していくのも1つの方法になります。
ただ、注意したいのは、仲間内だけで盛り上がるのではなく「売れるためにどうすればよいのか」を模索することを忘れないようにしましょう。
- SNSで同じ境遇の仲間を探す
- 売れるための手法を一緒に試し共有する
対策⑧:クリエイター目線からマーケッター目線に変える
ターゲットを認識し需要に合わせて作品を提供するという、マーケッター目線の考え方に変えるのも1つの方法です。
クリエイターとしては自分の思うように作品を作り、それが売れるのならベストだと言えるでしょう。
しかし、クリエイター目線だけのままでは、時代とマッチしないなどの理由から死後に評価される芸術家のようになってしまいます。
ピカソが存命中から名声を獲得し巨額な富を作り上げたのは、マーケッター目線で市場に売り込んだからというのは有名な話です。
- クリエイター目線だけだと売れない
- 市場に合ったものは何かマーケッター目線で考える
NFTで売れるものには何がある?
最後に、NFTで売れるものについて見ていきましょう。
クリエイターにとって自分の得意分野で勝負したいものですが、1つのジャンルにこだわらなくても良いのです。
極論を言えば、NFTはデジタルデータなら何でも売ることができます。
そのため様々なものが売買の対象となっているので、目線を変える意味でもどんなものが売れるのか確認していきましょう。
イラスト
漫画的なイラストからアートと呼ばれるような分野まで、幅広く取引されています。
NFT作品として最も代表的なのがイラストのため、多くのクリエイターが参加しやすい状況です。
しかし、ただのイラストはNFTの世界でもありふれたものなので、他を圧倒するような特徴がなければ売れない作品を作るだけになります。
だからこそ、マーケティングが重要だと言われるのです。
マークティング目線を持つことで差をつける事ができる!
映像
NFTでは映像というのも売買の対象で、有名なところではスポーツ分野のトレーディングカードが人気です。
従来のトレーディングカードは、切り取られた写真でしかありませんでした。
ですが、デジタルデータとなったことで、人気選手の有名なシーンを動画として販売できるようになったのです。
他にも短いアート的な作品であったり、映像の分野でも様々な作品が販売されていますので注目しましょう。
今までになかった映像作品として様々な映像が販売されている。
音楽
大物アーティストが参加したことで、より注目が集まっているジャンルが音楽です。
最近のニュースになるのですが、小室哲哉氏が音楽製作のパフォーマンス作品をNFTで販売するといったものがありました。
他にも、ローリング・ストーンズのボーカルであるミック・ジャガー氏が新曲を発表したところ、数万ドルで売れたという実績もあります。
今までとは違った音楽の販売経路として注目されている。
ゲームアイテム
NFTマーケットプレイスで人気なのが、ゲームアイテムやキャラクターなどです。
最近になって注目を集めているのがNFTを利用したゲームになります。
従来のゲームと大きく違うのが、キャラクターやアイテムなどを実際の資産として扱うことができる点です。
資産として扱うことができるので、マーケットプレイスにて販売することもできます。
実際にクリプトスペルズというゲームでは、アイテムの1つであるカードが数十万円で取引されたという実績があるほどです。
NFT仮想通貨・関連銘柄との繋がりも深く、親和性が良い。
音声
音楽だけではなく音声も1つの商品として登録でき、現在はNFT Voiceといって声優を支援するプラットフォームがあります。
ここで販売された音声は、クリプトスペルズというゲーム内でボイスとして使用することも可能です。
今後はこうした新しい動きが出てくるのだと予測できるでしょう。
今後、派生の仕方には注目していきたいジャンル!
まとめ
売れないNFTは何故なのか、その原因と対策についてまとめました。
2021年になって、販売されているNFT作品に高値がつくと話題になり、多くのクリエイターが参加しています。
しかし、NFTを作ったものの売れないという人がほとんどの状況です。
なぜNFTが売れないのかというと、ニーズに合っていない作品を作っているからです。
NFTを売るためには、クリエイターのマインドを変える必要があります。
また、SNSなどを使って自身のコミュニティを作っていくことも重要ですね。