暗号資産やブロックチェーン分野にて、2021年(令和3年)に大きく話題になった1つがNFTです。
NFTとは非代替性トークンのことで、ブロックチェーンに情報を書き込むことにより、デジタルコンテンツが唯一無二であると証明してくれます。
NFTによって、様々なデジタルコンテンツが価値を持つことになりました。
多くの人がご存知のように日本はアニメ関連のコンテンツに強みがあるため、新たなるマネタイズの手段として注目を集めています。
そんなNFTアニメ・NFT漫画・NFTセル画の分野について、詳しく見ていきましょう。
NFTアニメ/漫画とは?
NFTとは、データのコピーや改ざんをブロックチェーンを活用することで不可能にし、唯一無二のデータとして価値を持っているデジタルデータのことです。
また、NFT化されたデジタルデータの所有権利を主張できます。
デジタルデータであれば何でもNFTの対象にできるので、現段階ではアートやゲーム分野が目立っていますが、アニメ・漫画・セル画の分野でも複数の企業が参入してきています。
今まで、簡単にコピーが出来て資産としての価値を持てなかったアニメ系のデジタルデータに、所有権を持つことができるようになったのは大きな出来事です。
アニメ/漫画をNFTにするメリット
すでにネットの世界ではアニメや漫画は一般的になっているにも関わらず、わざわざアニメや漫画をNFTにするにはメリットがあるからです。
今までデジタルデータの世界ではずっと問題になっていたことが、NFTにすることで解決できるため注目されています。
では、具体的にNFTにするメリット2つを解説していきします。
海賊版による被害が減らせる
NFTはブロックチェーン技術を活用しているため、発行元(製作者)が明らかになり、コピーや改ざんが出来なくなります。
アニメ・漫画・セル画の分野において、長らく大きな問題になっているのが海賊版です。
デジタルデータは簡単にコピーができるので、ある意味では利点ですが海賊版の問題では厄介です。
一説によると、2020年の国内アニメ・漫画・セル画などにおける海賊版の被害は、少なくても2000億円以上、正規で販売されている市場の三分の一に該当するそうです。
こうした被害を減らせるのが、NFTによる強みと言えるでしょう。
NFTにすることよって海賊版との違いが明確になるので、海賊版を減らしていけるのではと考えられています。
NFTの二次販売(転売)が可能
NFT化されたアニメ・漫画・セル画は二次販売(転売)が可能で、その際に製作者へロイヤリティが発生します。
二次販売とは、製作者からデータを購入したユーザーが、別のユーザーに対して自分の持っているNFTを転売することです。
例えば、現物で購入した単行本を中古として売ったとしたら、この場合は作者に対して還元されるものがありません。
ですが、NFT作品であれば、二次販売でもしっかりとロイヤリティが製作者へ入ってくる仕組みになっています。
そのため、アニメ・漫画・セル画の分野でのNFTがより活発になっていくものと推測されます。
NFTアニメ/漫画を取り扱うマーケットプレイス6選
アニメ・漫画・セル画の分野に限った話ではありませんが、NFTの売買をする場所としてはマーケットプレイスというプラットフォームがあります。
NFT市場が一般の人に知れ渡ったのは、このNFTプラットフォームの存在が欠かせません。
まだ国内では参入する業者が少ないのですが、海外では既に大きく集客しているマーケットプレイスもあるのです。
ここでは、NFT作品を取り扱うマーケットプレイス市場について見ていきましょう。
OpenSea
参考元:OpenSea公式サイト
NFTマーケットプレイスの最大手はOpenSeaです。
アメリカのニューヨークを拠点とする会社が運営していて、2017年からサービスを提供しています。
最も人が集まっている市場となるため、現状でNFTを販売したいのなら最初に検討すべき選択肢だと言えるでしょう。
2021年7月の実績では月間の取引数が約250億円もあるのが魅力です。
取引する時に必要になるのは仮想通貨で、基本的にはイーサリアムが使われています。
これはNFTはイーサリアムのブロックチェーン技術を基盤とするためです。
誰でも作品を売買できるのが特徴で、国内外の著名人のNFT作品も販売されています。
Veve
参考元:Veve公式サイト
Veveは「デジタルアセット」という形でNFTデータを販売しています。
既に58万アイテムの販売実績もあり、さらに人気のシリーズキャラクターが登場することで、よりコレクターが加熱するのではと推測できるます。
特に有名なのは、日本でも人気のアメコミ「Marvel」と提携したことで、Marvel作品のNFTアセットがリリースされることになりました。
また、ディズニーとの提携も発表されていて、有名な作品のキャラクターを使ったアイテムを手に入れられます。
もちろん有名キャラクターのアイテムだけではなく、ユーザーが作ったオリジナルの作品も取引でき、Veveで購入したNFTはARを使って現実世界に投影することも可能です。
ANIFTY
参考元:ANIFTY公式サイト
ANIFTYはNFTアニメを売買できるマーケットプレイスです。
元々アニメの分野では、有名なイラストレーターが作成したイラストや原画などの販売が行われてきました。
これにブロックチェーン技術を使って、NFTにしたものを取り扱いしています。
ANIFTYはオークションや二次販売の機能も備えているのが特徴で、絵師とそのファンのためのサイトだと考えても良いでしょう。
ANIFTYでは、認定された絵師しかNFT作品の販売ができませんが、購入する側であれば誰でも参加できます。
により氏、うみのみず氏、やわはら氏などの国内の有名な絵師が既に参加していることもあり、NFT作品としても注目を集めているのです。
AnimeLoot
AnimeLootはオタクコインとクリプトゲームスが共同で運営を行なっているプロジェクトの1つです。
コミュニティに参加する全員で、異世界転生アニメを創作する内容になります。
「コミュニティが主体となって独自のアドベンチャーゲームを作ろう」をテーマにした「Loot」というプロジェクトがあるのですが、それのアニメ版です。
コミュニティに参加している人たちが、各々の感受性やアニメキャラなどをNFTとして創作したものが集まっています。
この集積されたデータによって、作品の方向性が決まっていくという流れです。
楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYO
楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYOは、セル画の所有権に特化したマーケットプレイスです。
アニメに詳しい人ならご存知でしょうが、製作技術の進歩によって現在はセル画が作られなくなりました。
つまり、セル画は既に希少価値があると言えるでしょう。
楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYOは、現物のセル画や原画などはギャラリーが適切に保存管理をし、所有権をNFTとして販売する仕組みを作っています。
有名作品の一部を切り取ったセル画は、海外でも高く評価されています。
楽座マーケットプレイス・ギャラリーラボTOKYOは、現物を展示しているギャラリーで、その場で現物を確認して、購入はNFTで行うという日本初の取り組みを行なっているのが特徴です。
実際のギャラリーの雰囲気は、こちらの公式Twitterから確認できますよ!
住所:東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町マルイ 7F
営業時間:11:00~20:30 ※2021年11月18日(月)現在
オタクコイン協会
参考元:オタクコイン協会公式サイト
オタクコイン協会はアニメが好きなオタクの人に向けたサービスです。
アニメを作るスタジオと提携してファンが直接的に応援できるなどのサービスを提供しています。
また、コミュニティ内に独自の通貨があり、このコインを使って様々なサービスを利用できるのが特徴でしょう。
日本国内だけをターゲットにしているのではなく、世界中にいる日本のアニメファンが利用できるのも魅力の1つです。
NFTアニメの購入方法!
では実際にNFTアニメの購入をしたい場合、何をすればいいのかをここで確認しましょう。
基本的には、NFTマーケットプレイスで仮想通貨(暗号資産)を利用して、デジタルコンテンツの取引や管理を行います。
日本ではまだ国内取引所で取り扱われている仮想通貨が少ないため、海外の取引所と連携させなくてはいけません。
各サービスによって使われる仮想通貨は違うのですが、NFTアニメの売買やアカウント作成などの全体的な流れとしては以下のようになります。
1:メタマスクのアカウント開設
最初にメタマスクのアカウントを開設しましょう。
メタマスクはイーサリアム系のウォレットアプリです。
アニメ・漫画・セル画などを含めてNFTはイーサリアムのブロックチェーンを基盤としているため必要となります。
アプリの場合
- アプリストアでメタマスクをインストール
- 起動したら「新しいウォレットの作成」をクリック
- パスワードを設定
- 次の画面で「秘密の言葉を表示するには、ここをクリックします」をクリック
- 12個の英単語(※)が表示されるので、メモかキャプチャを取っておく
- 「シークレットリカバリーフレーズ」に、先ほど表示された通りに入力、登録完了
ブラウザの場合
- ブラウザからダウンロードして「TRY IT NOW」をクリック
- 画面が開いたら「続行」をクリックして、パスワードを設定
- 「バックアップシード」と呼ばれる12個の単語(※)が出てくるので、メモかキャプチャを取っておく
- 次の画面で先程のバックアップシードを入力確認、登録完了
2:イーサリアムの準備
次に、国内の暗号資産取引所を使ってイーサリアムを購入しましょう。
尚、取引所を初めて利用する場合は、そちらも新規登録が必要です。
登録後に購入できるようになるので、購入方法については各取引所のマニュアルを参照してみてください。
3:プラットフォームの新規アカウント作成
次に利用したいNFTマーケットプレイスのプラットフォームごとに新規アカウントを作成しましょう。
国内のプラットフォームだと、仮想通貨の利用だけではなくクレジットカードが使える場合もあります。
ですが、海外のプラットフォームでは基本的に日本円での決済ができないため、決済するのにイーサリアムが必要となります。
紐付けする方法は各プラットフォームで異なるのですが、大抵は自分のアカウントページから設定できるようになっています。
5:メタマスクにイーサリアムを入金させて購入
自分が利用したいプラットフォームのアカウントとメタマスクの口座を連携させてイーサリアムを入金しておきます。
これでプラットフォーム内でNFT作品を購入することが可能です。
特に難しいことはないのですが、海外のプラットフォームに登録する場合は日本語は使えないので、その点だけ注意してください。
NFTアニメの売り方・稼ぎ方
では最後に、NFTアニメの売り方や稼ぎ方について見ていきましょう。
NFTがこれほどまでに注目されているのは、デジタルコンテンツが多額の金額で売買されているからです。
NFTアニメを売るには2つの方法があります。
1つは自分で作品を作成して販売する方法、もう1つは既に販売されているNFTアニメを入手し二次販売する方法です。
ここでは、後者の方法をピックアップして解説していきます。
1:NFTアニメを入手する
自分が取引したいNFTアニメを販売するプラットフォームで、仮想通貨を使って購入し、NFTを入手します。
プラットフォームにもよりますが、固定額での販売形式となっている場合とオークション形式になっている場合があります。
まずはNFTアニメを入手しないといけないので、オークション形式ではなく販売形式で出品されている作品を購入してください。
2:仕入れ値に利益を乗せてNFTアニメを販売する
次に二次販売を利用して稼ぐために、仕入れ値に利益を乗せてNFTを販売する手順をとってください。
ただし、人気のあるNFTアニメでなければ大きな利益を得ることはできません。
無名のアーティストの作品や人気がない作品では高値がつかないので、高値で売れる作品かどうかの目利きが必要になります。
3:NFTアニメを売却して獲得した仮想通貨を日本円に換金
売却ができたら自分のメタマスク口座に売却額が入金されます。
メタマスクに入金された仮想通貨を日本円に換金するには、メタマスクから国内取引所の口座に仮想通貨を移してください。
国内取引所にて仮想通貨を売却し、そのお金を自分の銀行口座へと移します。
これで最終的に日本円を手にすることができます。
まとめ
2021年になって急激に注目を集めたNFTですが、アートやゲームなどが主流です。
ですが、NFTはデジタルデータであれば幅広いジャンルに対応することができ、現在ではアニメ・漫画・セル画などをNFTとして取り扱うマーケットプレイスもあります。
特に、日本国内のアニメ・漫画・セル画は海外でも高く評価されています。
NFTアニメ・NFT漫画・NFTセル画と一口にいってもジャンルが違うので、それぞれの分野に特化したマーケットプレイスを利用するといいでしょう。
まだスタートしばかりの分野ですので、早めに利用することで先行者利益があるかもしれません。