日本を代表する実業家として知られているホリエモンこと堀江貴文氏は、宇宙ビジネスや高級役肉店の経営など多岐にわたって新規ビジネスを展開しています。
最近では仮想通貨やNFTについて動画メディアを通して言及しており、自身もNFTを発行するといった動きを見せています。
そこで本記事では、ホリエモンが仮想通貨ビジネスに参入した結果や実体験に基づいて、今後の仮想通貨市場について解説します。
Bitcoinが誕生した当初から仮想通貨市場に関わっていたホリエモンの知見をわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ホリエモンと仮想通貨市場
いまでは自身のNFTアートを出品するなどNFT市場にも参入しているホリエモンですが、これまでの仮想通貨取引において、いくつもの問題が生じていたようです。
そのうえで、結局資産を投げる銘柄はBTCあるいはETHであるべきと言及しています。
理由となる次の3点について解説していきます。
- 仮想通貨市場への参入
- Zaifとの関わり
- 話題となったVALU事件
ホリエモンの体験を通して理解できるよう解説していきます。
仮想通貨市場への参入
仮想通貨市場は、ホリエモンのなかで何度も行き来しているトピックであり、新しい市場といった感覚がないと話します。
当初は、発行元が存在せず国家が関与できないBitcoinは、当初すぐに規制され消滅すると感じていたようです。
そんなホリエモンが仮想通貨に興味をもったのは、Bitcoinの機能を理解したタイミングだったようです。
そしてBitcoinについて調べていくうえで消滅しない仕組みが実装されている通貨だと確信します。
改めて、Bitcoinの特徴は以下のとおり。
- 中央管理者が存在しない
- 発行枚数は2,100万BTC
- 偽造できない
これまで潰されてきた通貨と比較して大きく異なる点は、管理者が存在しないことであり、ホリエモンも洗練した仕組みだと感銘を受けたようです。
Zaifとの関わり
ホリエモンが技術アドバイザーを務めていたテックビューロ・ラボが取引所「etwings」を買収し、2016年に取引所「Zaif」を設立しました。
当時、取引所etwingsはMONAコインを扱う数少ない取引所として、MONAコインホルダーから親しまれていました。
そんな中、Zaifへと改修しウォレット制作など取引所として事業展開を進めます。
しかし、2018年9月14日ハッキング被害が発覚、総額約70億円の被害が生じました。
当ハッキング事件や金融庁からの業務改善命令を受けていた事例もあり、Zaifはホリエモンが手掛けるテック・ビューロから(株)フィスコのグループ会社へと譲渡されることになりました。
話題となったVALU事件
株取引のように個人の価値を売買できるサービスである「VALU」をホリエモンが立ち上げますが、詐欺騒動が起き話題となりました。
VALUとは、株式のような「VA」を売り買いできるクラウドファンディングに類似したサービスです。
VAの売買によって相互に以下のことが得られます。
- 売る側:資金の獲得
- 買う側:優待の獲得
株式と異なる点は、VAの保有者には議決権が存在しないことです。
そんなVALUをめぐって事件が起きたのは8月15日、人気YouTuberのヒカル氏が起点となりました。
SNSでヒカル氏は「明日大きく動く」と発言、多くの方がVAを購入したところで、ヒカル氏が一気にVAを売却しました。
つまり、VAの価値が上がると期待させたうえで、自身の株であるVAを売却したため、ヒカル氏のVAを保有していた方は大損害を被ってしまったのです。
当然、運営会社であるVALUも信頼性を失ってしまい、サービスを終了しました。
ホリエモンが考えるDeFiサービスとは
BitcoinやEthereumが仮想通貨市場を牽引するなか、2021年よりDeFiサービスが大きな成長をみせました。
DeFiとは、分散型金融の略であり中央管理者、つまり仲介者が存在しない金融サービスのことをいいます。
そんなDeFiサービスについてホリエモンは「潰せない草コインをたくさんつくる装置」と表現しています。
つまり、高い金利を提供するサービスを通じて、発行通貨の需要を高めているのがDEXです。
実際、2020年に20円台だったPancakeSwapのCAKEトークンは、DeFiサービスの需要にともなって2021年には最高価格を約5500円まであげました。
すべてのDeFiサービスが該当するわけではありませんが、高い金利に伴って多くの草コインが上場して通貨価値をあげています。
今後は、目先の金利だけではなく発行通貨に実装されている機能や価値にも目を向ける必要がでてくるのかもしれません。
ホリエモンが考えるNFT市場とは
仮想通貨市場に精通しているホリエモンもNFTへ関心を寄せており以下2点について言及しています。
- COMSAでNFT発行
- NFTゲームの課題
1つずつ解説していきます。
COMSAでNFT発行
2022年2月16日ホリエモンが発行したNFTが、マーケットプレイス「COMSA(コムサ)」で出品されました。
COMSAとは、テックビューロが提供しているサービスであり、あらゆる価値を簡単にトークン化して販売できます。
取り扱いトークンは以下の2つであり、COMSAの大きな特徴の1つでもあります。
- NFT(Non Fungible Token):代替不可能トークン
- FT(Fungible Token):代替性トークン
当マーケットプレイスで出品されたホリエモンのNFTは、最終取引価格17,000XYM、日本円で約25万円で取引(2022年4月現在値)されました。
一見、NFT市場の波に乗ったようにも捉えられますが、Twitterの発言をみてみるとホリエモンの動きは気まぐれのようにも思えてきます。
とはいえ、日本を代表する企業家であるホリエモンの行動は気になるところなので今後も注目していきたいところです。
NFTゲームからみえる仮想通貨の課題
NFT市場にも参入しているホリエモンですが、NFTゲームを通して仮想通貨に対して難色を示す意見を述べています。
それは分散型ネットワークの課題である秘密鍵の管理体制に対する課題です。
理由となる出来事は、被害総額約750億円にもなるAxie Infinityのハッキング被害です。
人気NFTゲームであるAxie Infinityは、世界中のユーザーから支持されてきたのですが、ゲームを支えるサイドチェーン「Ronin」から仮想通貨が盗まれました。
Axie Infinityのブロックチェーンは、Ethereumを採用していますが、ガス代対策としてサイドチェーンである「Ronin」を開発してプロジェクトの運営を効率化しました。
しかし、今回サイドチェーンであるRoninの秘密鍵が盗まれてしまい、仮想通貨が流出する結果となってしまいます。
この被害に対してホリエモンは、分散型ネットワークの課題が浮き彫りになったと話しています。
つまり、分散して管理しているがゆえに秘密鍵が盗まれた際に対応する管理者が存在しないため、秘密鍵を取り戻せないことを問題視しています。
とはいえ、分散型ネットワークがもたらすメリットは計り知れないため、課題と共存して対応策を立てながら関わっていく必要がありそうです。
ホリエモンこと堀江貴文氏が考える仮想通貨市場まとめ
本記事では、日本を代表する実業家であるホリエモンこと堀江貴文氏の実体験をもとに、これまでの仮想通貨市場について解説しました。
本記事の要約はこちら
- 結局はBitcoinあるいはEthereumを保有するメリットが大きい
- 分散型サービスの課題を理解したうえで資産運用する必要がある
- ホリエモンもNFT市場に注目しており、自身のNFTを発行している
ホリエモンの体験を通して仮想通貨市場の課題が見えたように感じますが、1ついえるのはBTCやETHを保有し続けていれば資産が増える可能性が十分にあったということです。
実際、プロジェクトが失敗しても保有していたETHやBTCは大きく価格をあげているようです。
また、NFTやDeFiサービスの土台となっているのはEthereumですが、問題となっているガス代はETHで支払われています。
つまり、ガス代高騰が問題視されているウラでは、ETHの価格が高騰する現象が事実として起きています。
新たなサービスへ参入する気持ちも理解できますが、ホリエモンが言及するとおりBTCやETHに投資することが、最も効率的な資産運用となるのかもしれません。