数百万、数千万円の高額の取引がされている話題のNFTアート。
実は、誰でもアート作品を作成・出品できることをご存じでしょうか。
スマートフォンやタブレットで、簡単にアート作品を作成できるアプリがいくつかあります。
そこでこの記事ではNFTアートの作成ができるおすすめアプリを7つ紹介します。
NFTアートを作成し、自分で売ることに興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
NFTアートとは
NFTアートとはデジタルデータ上にあるアート作品がNFT化されたものです。
従来のデジタルアート作品は第三者によってのコピーが容易に行われていたため、作品の希少性を十分に担保できていませんでした。
しかし、NFTの誕生によってデジタル作品が唯一のものであると証明できるようになったため、作品の希少性を担保できるようになったのです。
NFTアートには大きく3つの特徴があります。
特徴①唯一無二の価値を証明できる
1つ目の特徴は唯一無二の価値を証明できることです。
NFTアートはブロックチェーンと呼ばれる技術を利用することで、作品をコピーすることが難しくなっており、作品が唯一無二であることを示すことができます。
ブロックチェーンによって、ユーザー間の取引データをすべて履歴として残せるのです。
そのため、一つひとつのデジタル作品の所有者が明確になっている点が特徴になります。
特徴②誰でも売買が可能である
2つ目の特徴は誰でも売買が可能であることです。
これまで、有名な作家によって創作されたアート作品の取引は招待制であることもよくあり、誰でも簡単に売買ができる状況ではありませんでした。
しかし、NFTアートはオンラインで売買できるため、NFT市場で気軽に売買ができます。
特徴③作家に公平な報酬が支払われる
3つ目の特徴は作家に公平な報酬が支払われることです。
これまでは作家が創作した作品が転売されても、作家の元に転売時の手数料が入ることはありませんでした。
しかし、NFTアートでは転売されるたびに利益の一部を作家に還元できるような仕組みが整備されています。
こうした仕組みができたことによって、作家は以前よりも公平な立場を得られるようになったのです。
NFTアートで有名な事例
最近注目されるようになったNFTアートのなかでも、ここでは特にメディアで取り上げられることが多いNFTアートの事例を2つ紹介します。
事例①Zombie Zoo Keeper
1人目に紹介するのはZombie Zoo Keeper(ゾンビ飼育員)の事例です。
Zombie Zoo Keeperは日本に住んでいる小学3年生の少年です。
一般の小学3年生ですが、出品したNFTアートがTrevor McFedriesという海外の有名なDJによって購入され、ある日突然注目を浴びるようになり有名になりました。
出品したNFTアートはマインクラフトのゾンビと、図鑑や絵本で知った虫や動物たちの絵を掛け合わせたドット絵です。
購入者の知名度もあって、少年の作品はNFTの取引市場で人気のある作品として知られるようになり、高額で転売されるようになりました。
最高で約80万円の金額で転売され、2021年9月現在では出品している48作品の合計の取引高が約380万円までにもなっています。
事例②クリプトパンク
2つ目に紹介するのはクリプトパンクの事例です。
クリプトパンクはNFTアートの1つで、NFTの先駆者的な存在です。
24X24ピクセルで描かれたドット絵のデジタルキャラクターの画像で、総数は1万個ですが一つひとつ異なるデザインとなっています。
基本的には人の顔が描かれていますが、なかには宇宙人をモチーフとしたキャラクターも数体だけ存在し、その希少性から数億円という規模で取引されることもありました。
また、9体のクリプトパンクを1つのセットにしたものがオークションに出品されたところ、16,962,500ドル(約18億5000万円)で落札されたことも大きな話題となっています。
大きな金額で取引されているため世間での注目度もかなり高く、世界の大手カード会社であるVISAや、日本の有名なインフルエンサーであるイケハアさんやマナブさんも取引に参加しています。
NFTアートのおすすめ作成アプリ7選
NFTアートは自分で作成し、市場で売ることができます。
先程紹介したZombie Zoo Keeperやクリプトパンクははじめから高額で売買されていたわけではなく、ひょんなきっかけで作品の価値が上がりました。
そのため、一般の方でも出品をすれば高額で売れる可能性もなくはありません。
そこで、ここからはNFTアートを作成するときにおすすめしたいアプリを7つ紹介します。
NFTアートはアプリで描いたイラストやドット絵、あるいは手描きで描いたイラストが出品されていることが多いため、そういったものを作成できるアプリを中心に紹介します。
アプリ①Photoshop
1つ目に紹介するのはPhotoshop(フォトショップ)です。
Photoshopは世界的にも有名な画像編集ソフトのひとつで、多くのクリエイターが使っています。
写真の加工や合成、グラフィックの作成など幅広い編集作業を行えます。
Adobe(アドビ)というアメリカの会社が開発したアプリですが、日本語にも対応しています。
さらにタブレットでも使えるので、どこでも作業できることがメリットともいえるでしょう。
一方で、Photoshopは月額料金を支払って利用できるシステムになっているので、無料のアプリを使いたい方にはおすすめできません。
また、幅広い編集作業ができるものの、操作が簡単とはいえず慣れるまで少々時間がかかってしまうこともデメリットといえるでしょう。
アプリ②8bit painter
2つ目に紹介するのは8bit painterです。
8bit painterはドット絵の作成に特化したアプリで、無料で利用できます。
スマートフォンさえあれば描くことができ、初めて利用する方にも使いやすいことが特徴です。
また、自分で作成しなくても、カメラロールに保存されている写真をドット絵に変換することもできるので、自分で絵を描くことが苦手な方にもおすすめできます。
ただし無料のアプリであるため、サイズの制限が課されていることやアプリ内に保存できる枚数に上限があることなどデメリットも存在します。
アプリ③ドット絵エディタ – Dottable
3つ目に紹介するのはドット絵エディタ – Dottableです。
ドット絵エディタ – Dottableは8bit painterと同様にドット絵の作成に特化したアプリで、同じく無料で利用できます。
ただし、iPadやiPhoneなどiOSには対応しているものの、Androidには対応していません。
また、アプリ内で課金をしないと広告が表示されるようになっています。
アプリ④Pixelable
4つ目に紹介するのはPixelableです。
Pixelableもドット絵の作成に特化した無料で使えるアプリです。
レイヤー編集や色の作成など本格的な機能を搭載しており、ピンチイン・アウトで拡大や縮小ができるといった操作ができるといった編集作業のしやすさが特徴です。
ただし、こちらもiOSのみで取り扱いのあるアプリで、Androidでは非対応です。
また、アプリ内には広告があり、広告の削除には少々高めな料金がかかることもデメリットとして挙げられます。
アプリ⑤Illustrator
5つ目に紹介するのはIllustrator(イラストレーター)です。
Illustratorは、Photoshopと同様にAdobe製のアプリであり、大勢の人に支持されている有名なアプリの1つとなります。
テキストと画像を組み合わせたレイアウトの作成やデザイン、線や図形を組み合わせたイラストの作成に最適なツールです。
ポスターやチラシ、オリジナルロゴのデザインから、地図やグラフの作成まで幅広いことに取り組むことができます。
また、Illustratorは線のはっきりとしたイラストを描くことに向いており、直線や曲線で一つひとつのパーツを描き、それらを組み合わせて形を作ります。
ただし、Photoshopと同様に月額料金がかかるアプリであり、操作に慣れるまで少々時間がかかることはデメリットといえるでしょう。
アプリ⑥Ibis Paint x
6つ目に紹介するのはIbis Paint xです。
Ibis Paint xは、累計ダウンロード数が2億を超える本格的なイラスト作成アプリです。
PCのイラストソフトにも負けないクオリティを担保できることを強みとしています。
さらに、絵を描く工程を動画として保存できる機能や、絵の描き方を学べるSNS機能もあります。
無料で利用できることもメリットではあるものの、こちらも課金をしないと広告が表示されるアプリであることには注意しておきましょう。
アプリ⑦CamScanner
7つ目に紹介するのはCamScannerです。
CamScannerは、手描きのイラストのようなデジタルファイルではないものをデジタル化できるアプリです。
手描きで描いたイラストをNFTアートとして販売したい場合に活用できます。
スマートフォンさえあれば利用でき、操作も簡単なことに定評があります。
しかし、イラストを作成できるアプリではないことには注意しておきましょう。
NFTアートの出品までの流れ
ここからは、NFTアートの作成アプリをダウンロードしてから、出品するまでの流れを3つの手順に沿って解説します。
手順①アプリをダウンロードする
まずはスマートフォンかタブレットのどちらで作成するかを決め、使いたいアプリをダウンロードします。
何を描きたいか・アプリの利用料・アプリの機能性などのポイントを踏まえて選ぶとよいでしょう。
無料のアプリの場合はいくつか使ってみて、使用感を試してみるとよいです。
また、無料のアプリで広告が表示されているときに、煩わしいと感じる場合は課金して広告を削除することをおすすめします。
手順②絵を描く
アプリをダウンロードしたら、実際に絵を描いてみましょう。
何を描けばいいかわからないという方は、実際に売れている作品の傾向を見て似たようなものを創作してみるといいかもしれません。
また、どのような作品が売れるかは不透明なため、特に初心者の方は数多く描くことをおすすめします。
手順③出品する
アプリで絵を描いたら、実際に出品してみましょう。
出品するためには仮想通貨の口座開設・仮想通貨のウォレットのインストール・NFTの取引市場でのアカウント登録の3つをする必要があります。
仮想通貨の口座開設はCoincheckやGMOコインといったところで行うことをおすすめします。
というのも、NFTの取引はイーサリアムと呼ばれる仮想通貨の銘柄で行われることが多く、これらの仮想通貨取引所はイーサリアムの取り扱いがあるからです。
また、仮想通貨のウォレットとは通貨を保管する財布のようなものです。
イーサリアム系の仮想通貨を保管するにはメタマスクと呼ばれるウォレットを選ぶことをおすすめします。
そして、実際にNFTを取引できる市場はいくつかありますが、なかでもOpenseaと呼ばれる市場は取引数が多いため作品を売れるチャンスが高いといえるでしょう。
NFTアートを販売するときに知っておきたいこと
ここでは、NFTアートを出品する予定のある方や出品することを悩まれている方に向けて、作品を販売するときに知っておきたいことを2つ紹介します。
緻密なイラストだけが売れるわけじゃない
NFTアートは緻密なイラストだけが売れるわけではありません。
たとえば、クリプトパンクは数千万、数億円の規模で売買されることもありましたが、作成された絵自体は緻密に細部を描き込むというよりも、ドット絵で簡単にキャラクターを描いた作品となっています。
ドット絵なので、少し絵を描くことに慣れている方であれば簡単に似たようなものも作れるでしょう。
このように、緻密なイラストが必ずしも売れるとはいえないので、簡単に描けるドット絵でも魅力の溢れる作品であれば高額で売れるチャンスは十分にあります。
誰でも高額で売れるチャンスがある
もう1つ押さえておきたいことが、誰でも高額で売れるチャンスがあるということです。
NFT市場は2021年にようやく世間での認知度も増え始めたものなので、大勢の人が作品を出品して市場が飽和する前に行動を起こすと高額で売れるチャンスを掴めるかもしれません。
実際に小学3年生の少年(Zombie Zoo Keeper)も、「NFTアートをやってみたい!」という好奇心から始まり、数百万円で作品が売れています。
まだライバルの少ないこのタイミングで参入することで、大きなメリットを享受できるかもしれません。
NFTアートの作成アプリは無料のアプリからでも簡単にできる!
今回紹介したアプリはNFT市場で出品されていることの多い、イラストやドット絵の作成に適しているものです。
なかには無料のアプリもあるので、いくつか試しながら自分に合ったものを選んで出品してみるといいかもしれません。
また、小学3年生の少年(Zombie Zoo Keeper)やクリプトパンクの作成したドット絵は緻密に細部が描き込まれたような作品ではありませんが、NFT市場で高額で取引されています。
そのため、絵を描くことがそこまで得意ではなくても、ライバルが少ない現在のNFT市場で出品すれば高額で売ることができるかもしれません。