- 今後のインターネットはどのように変化するのか
- 専門家からみたNFT市場とは
- Web3.0によって生活はどう変わる?
以上のようなテーマについて落合陽一氏と伊藤穰一氏が対談した意見に、補足情報を交えながら解説していきます。
マルチタレントとして様々なメディアで活躍する落合氏とDigital Garage(デジタルガレージ)の共同創業者である伊藤氏の話は、いうまでもなく未来を見据えた関心あるものです。
本記事の要約
- インターネットの歴史とこれから
- 2人が感じるNFT市場の現状と未来
- Web3.0によって展開される今後について
インターネットの最前線を見つめ続けている2人の意見を理解することで、今後の投資ライフに活かせる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
インターネットの歴史とWeb3.0
Web3.0の仕組みへと突入しようとしているインターネットの始まりは、1969年の「ARPanet」だといわれています。
その後の展開は以下のとおりです。
- 1984年:日本で始めてのインターネット「JUNET」が誕生
- 1991年:世界初のWebサイトが誕生
- 1994年:「Yahoo!」「Amazon.com」が誕生
- 1997年:Google検索が誕生
- 1999年:iモード開始
- 2004年:Facebookの誕生
- 2011年:LINEサービス開始
- 2020年:Zoomなどのリモート会議システムが普及
そんな中、2008年に「サトシナカモト」がビットコインに関する論文を発表し、2013年にはNFTの土台ともいえるEthereumの開発が開始されました。
また日本におけるインターネットの普及率は、iモードサービスを開始した1999年から急激な上昇をみせており、1997年の9.2%から2002年には57.8%まで変化しました。
2020年は83.4%の普及率となっており、90%を下回っていることに落合氏も驚きを隠せていないようでした。
今後のインターネットといわれるWeb3.0とは?
今後のインターネットのカタチといわれるWeb3.0は、2021年よりトレンドワードとなってきました。
Web3.0とは、分散型ネットワークを基盤とした非中央集権的なWebサービスを指します。
FacebookやTwitterのように中央管理者がデータを管理するWeb2.0に対して、Web3.0は管理者が存在せず、自分自身でデータを管理する仕組みとなります。
しかし、落合氏によると現在Web3.0へ完全に移行できているサービスはほぼ存在しないと言及しています。
実際、Web3.0と並んで語られるNFTを取り扱うマーケットプレイスですら、中央管理者が存在しておりWeb3.0サービスとは言えない状態で留まっています。
過熱するNFT市場
2021年8月よりNFTの取引高は急増し、市場が大きな成長をみせました。
2022年に入りNFTの取引量は減少したものの、1月27日に米大リーグ・エンゼルス大谷翔平選手のNFT画像が約1150万円で取引されました。
また同年2月12日には、NFTコレクションCrypto Punkの「CryptoPunk 5822」が約27億円で取引されるなど、巨額の資産が流動しています。
取引高は減少しているものの、巨額の資産が運用されていることは事実であり、市場は発展し続けています。
落合氏と伊藤氏が感じるNFTの価値
2021年より大きな成長を見せているNFT市場ですが、落合氏と伊藤氏がNFTについて感じていることについて言及しています。
お2人の実際の意見に沿ってNFTの価値についてご紹介します。
伊藤氏が感じるNFT
NFTは非代替性トークン、つまり唯一無二の複製できないトークンとして知られていますが、NFTを理解している方と理解していない方で大きく価値観が異なります。
NFTについて理解していない方は、NFTアートがディスプレイ上で簡単にコピーできるから価値がないといいます。
対してNFTについて理解している方は、コピーできるから価値があると感じており、価値の本質を理解しています。
つまり、ディスプレイ上でのコピーによって認知度があがり、NFTあるいはコレクションへの需要が増えることでNFTへの価値が上がることをNFTコレクターは理解しているのです。
実際に、伊藤氏が購入したタイのNFTアーティストは、自身のNFTを様々なイベントで「伊藤のものです」と紹介しており、認知を広げています。
これに対して伊藤氏は自分の保有しているNFTの価値を上げる取り組みをしてくれているNFTアーティストの行動を嬉しく思っています。
つまり、伊藤氏が保有しているNFTが宣伝されればされるほどNFTの価値が上がり、価格が高騰する可能性があるのです。
どこに価値を感じているかによってNFTに対する価値観は大きく異なり、アーティスト側あるいはスポンサー側になるのか、消費者側になるのかの分かれ道になるのではないでしょうか。
落合氏が感じるNFT
落合氏は、NFTがもつ可能性について言及しながらも、Ethereumのガス代の高さを問題視しています。
実際、落合氏がOpenSeaで保有していた数十個のコレクションを、ファンデーションに移そうとした際に90万円のガス代が表示されたといいます。
結局、対応としてOpenSeaのNFTを削除して、ファンデーションにアップし直したのですが、これではYouTubeのように動画を削除してアップするといったWeb2.0の仕組みと類似しています。
また、NFTマーケットプレイス機能の低さについても言及していましたが、マーケットプレイスが改善の余地があり、今後も発展する可能性があることを示唆しています。
インターネットの変化による影響
今後のインターネットの変化による影響を以下の2点の視点から解説します。
- 仮想通貨を通じて解消される格差
- Web3.0によって変化する生活
実例を交えながらわかりやすく解説していきます。
仮想通貨が解消する格差
アフリカやフィリピンなど口座をもたない方が多い国において、デジタル通貨は意味を成し、格差社会を解消する可能性があると言及しています。
実際に口座を持てない国での仮想通貨保有率は増加しており、NFTゲームで収益を得るユーザーも増えてきています。
また、仮想通貨プロジェクトが取り組む慈善事業も格差社会の解消に影響を与えています。
2018年には、仮想通貨リップル(XRO)を発行しているRipple社が、世界的なセレブ歌手であるMadonna(マドンナ)が運営する非営利団体と提携し、アフリカの子供を救うための慈善活動をおこないました。
仮想通貨の技術による直接的なアプローチのみならず、直接的な募金活動をおこなうなどして格差社会の解消に努めており、今後の施策にも注目が集まります。
Web3.0によって変化する生活
昨今のWeb3.0の盛り上がりは、1995年付近のインターネットの盛り上がりと似ていると言及しています。
つまり、まったく新しいサービスの普及によって人々の生活が変化する時代に突入しています。
これまでWeb2.0を支えてきたFacebookやAppleなどの企業は、すでに完成したサービスを提供しており、革新的な変化は難しいとされています。
実際、アップル社が販売しているiPhoneに大きな変化がみられないのがその一例といえます。
しかしWeb3.0の仕組みによって、これまで提供されなかった新たなサービスが今後増えてくることが予想されます。
一例として分散型金融サービスであるDeFiはWeb3.0を代表するサービスですが、金融のみならずメタバースやNFTを通じて様々な仕組みが生活を変化させる可能性があります。
Web2.0では実現できなかったサービスが、Web3.0によって実現する日は目前まで迫ってきているのではないでしょうか。
落合氏と伊藤氏が考えるインターネットの未来とは?まとめ
本記事では、落合陽一氏と伊藤穰一氏が考えるインターネットの未来について解説しました。
本記事の要約
- インターネットはWeb3.0の新しいフェーズへと移行しており、生活に大きな変化をきたす可能性がある
- NFTへの価値観は個人差があり、現状の課題を克服することによって更に発展する可能性がある
- 仮想通貨はインターネットの成長に欠かせない要素であり、生活を救う手段にもなる
本記事の内容に加えて、伊藤穰一氏が若い世代に伝えたい言葉として表した言葉が「GO BANKLESS」です。
今の時代であれば、銀行を利用しなくても生活が成り立ってしまう仕組みが整っているのが事実です。
時代の変化に対応しながら、個人がアンテナを立てて生活を変化させることも求められる時代になってきているのではないでしょうか。