プロのイラストレーターの約60%以上は年収100万円以下という事実があります。
これだけプロのイラストレーターでも生計を立てていくのは難しいのです。
しかし、NFT技術の誕生で、無名のイラストレーターでも一定の収益が得られるようになりました。
よって、イラストレーターが続々とNFT業界へと参入してきています。
そこで本記事では以下の点について解説していきます。
- イラストレーターの現実
- NFT市場がイラストレーターにとって魅力的な理由
- イラストレーターがNFTで稼ぐ3つのテクニック
プロのイラストレーターはもちろんですが、NFTクリエイターとしての活動を検討している方やNFTの購入を検討している方にも、市場の価値を理解してもらえる内容となっています。
イラストレーターの現実
国内で活動しているイラストレーターの年収は平均年収と比較して低い傾向にあります。
詳細はこちら
雇用形態 | 給与 |
正社員 | 平均年収:355万円 |
パート・アルバイト | 平均時給:966円 |
派遣社員 | 平均時給:1400円 |
日本国内全体における平均年収は約445万円なので、イラストレーターの平均年収355万円が比較して低いことが理解できます。
ちなみにフリーランスで年収100万円未満のイラストレーターは、52.5%と大きな割合を占めているとアンケートの結果が出ています。
年収の側面からイラストレーターの待遇が理解できますが、海外と比較して社会的地位も高いとは言い切れません。
日本と海外に文化の違いがあるのも理由の1つですが、何より報酬にイラストレーターの価値が表れており、紛れもなく事実であることは間違いなさそうです。
NFT市場でイラストレーターが稼ぐ方法
報酬、社会的地位ともに恵まれているとは言い難いイラストレーターです。
しかしNFT市場ではイラストレーターが稼げる仕組みが存在します。その仕組みとは「NFTのロイヤリティ制度」です。
ロイヤリティとは、クリエイターが販売したNFTアートが2次的・3次的に販売された際、クリエイターに支払われる報酬のことをいいます。
つまり、作品を1度販売して報酬を受け取るだけでは終わらず、作品が転売される度に報酬を受け取れます。
本来、イラストレーターが1つの作品を販売しても、報酬は当然1度のみであり、その後作品が転売されてもイラストレーターに報酬が支払われることはありません。
しかし、NFTアートを出品する際にロイヤリティを設定すれば、任意の割合でロイヤリティ報酬を受け取ることができます。
例えば、ロイヤリティを10%に設定したNFTアートが100万円で転売された場合、クリエイターには10万円の報酬が支払われます。
当然、価値が高まれば転売される度に取引金額は増えていくはずなので、購入者にとって需要あるNFT作品になれば長期的に報酬が得られることもあるでしょう。
自身の作品価値が1度の販売のみならず、資産として価値を生み続けてくれるのもNFTアートの魅力の1つなのかもしれません。
NFTで稼いだイラストレーター
NFT市場で活躍している日本人、以下3人のイラストレーターをご紹介します。
- さいとう なおき 氏
- 虫麻呂 氏
- 砂糖薬 氏
NFTアートの特徴や価格にも触れながら、1人ずつご紹介します。
さいとう なおき 氏
さいとう なおき氏は、YouTuberとしても活動するイラストレーターです。
世界で大きな人気を誇るアニメ「ポケットモンスター」のイメージイラストやキャラクターデザインを手掛けるほどの人物。
2021年10月に自身初のNFTアートを販売し、オリジナル作品が600万円で落札されたことはメディアを通して大きな話題となりました。
そして、さいとう なおき氏がNFTアートを販売する際は「NFTが全ての表現者が、自分らしく伸び伸びと表現できる世界を実現できる手助けになると感じている」と言及しています。
— さいとう なおき🍀 (@_NaokiSaito) October 12, 2021
さらにロイヤリティについても触れており、イラストレーターが直面している金銭的・表現的課題を解決してくれると強く感じているようです。
虫麻呂 氏
虫麻呂氏は、イラスト制作及びゲーム企画制作をおこなう株式会社Mimi Marteの代表取締役を務めるイラストレーターです。
これまで手掛けた代表作品には、トレーディングカードゲームの「モンスターコレクション」や「三国志大戦TCG」があります。
ネットゲームにおいては、Cygemesが運営するソーシャルゲーム「神撃のバハムート」に関与してきました。
虫麻呂氏が2021年10月に販売したNFTアートはNFTマーケットプレイスのFoundationにて5ETH(2022年4月現在で約190万円)で落札されました。
初めてNFTに出品した作品が5ETHで落札されました!すごい価格になり、ぼーっとしています。
落札者様ならびに入札していただいた皆様ありがとうございました!(*'ω'*)Check out this artwork by @mushimaro8 on @withFND! 🌐https://t.co/UgmaQ5xwZY
— 虫麻呂 (@mushimaro8) October 19, 2021
現在、Foundationでは他にも2つの作品が出品されており、最低販売価格は4ETHとなっています。
おにく(ONIKU)くいたい 氏
最後にご紹介するのは、独創的で目を惹かれるネーミングで活動しているイラストレーターおにく(ONIKI)くいたい氏です。
女性をモチーフにした作品が数多く、メカニックや動物的要素を組み合わせて独創的な作品へと仕上げています。
おにく(ONIKI)くいたい氏が、はじめてOpenSeaにNFTを出品したのは2021年9月。
できてるのかな、、?
#nft #NFTCommunity #ethereum #nonfungible #digitalasset #NFTTHAILANDCheck out this account on OpenSea https://t.co/TX4ofiAM4c @openseaより
— おにく(ONIKU)くいたい🥩 (@29tangasuki) September 24, 2021
現在(2022年4月16日)、OpenSeaでの最低取引価格は0.4ETH(約15万円)、取引総額は57.8ETH(約2,200万円)と人気の高さが伺えます。
イラストレーターからNFT市場へと参入し、大きな成果を収めたクリエイターの1人であり、誰もが求める成功像ではないでしょうか。
イラストレーターがNFTで稼ぐ3つのテクニック
イラストレーターとしてNFT市場で稼ぐ方法について、以下3つのポイントで解説します。
- ターゲットを海外へ向ける
- ストーリー性ある作品をつくる
- 希少性をもたせる
これからNFTクリエイターを目指す方にも実践しやすい内容で解説します。
ターゲットを海外へ向ける
NFTマーケットプレイスで作品を認知してもらうために、日本国内だけでなく海外の購入検討者にも目を向けるべきです。
NFTに対する関心は日本国内と比較して海外の方が圧倒的に強いからです。
株式会社CoinOtakuがNFTの知名度に関するアンケートをおこなったところ、NFTを所有している日本人は2.8%に留まりました。
世界最大級のNFTマーケットプレイスであるOpenSeaの月間利用者数は20万人にものぼりますが、その大半は海外ユーザーが占めています。
海外ユーザーが好むデザインのNFTを販売することや英語表記でSNSを運用するなど、海外ユーザーへ販促する動きも必要となってくるでしょう。
ストーリー性ある作品をつくる
単なるアート作品としてNFTを販売するのではなく、NFTにストーリー性を持たせることで、NFTを通じて新たなNFTが購入される可能性があります。
具体例としてイメージしやすいのは、「マンガ」です。
1話読んでみて面白ければ次の話、あるいは過去の話が掲載されている単行本を購入するはず。
現に、2021年12月より新連載マンガ「code:ノストラ」全7話がNFT販売されました。
「code:ノストラ」のNFTは、1ページごとに5部発行されたのですが、販売後12時間で全話完売、最短1時間で完売する回もあったほどの人気をみせています。
極端な例にはなりますが、以上のようにNFT作品同士にストーリー性や関連性をもたせることで繋がりのある販売ができる可能性が生まれます。
希少性をもたせる
NFTに希少性をもたせることで、購買意欲を掻き立てた販売をすることができます。
NFTとして販売するだけで作品の価値を担保できるのですが、「ナンバリング」して作品をコレクションとして価値付けすることで、更に1つのNFTの価値が上がる可能性があります。
世界的に人気のNFTコレクション「Bored Ape Yacht Club:BAYC」は、NFTを1万個と大きな数量で限定しているにも関わらず高い値段をつけています。
もちろん作品自体の魅力も必要であるため「ナンバリング」すれば価値が上がるわけではないため注意は必要です。
とはいえ、「数量限定」という言葉に日本人は弱いため、NFT作品の販売を後押しする好材料になるのは間違いないでしょう。
プロのイラストレーターがNFTで稼ぐ方法まとめ
本記事では、イラストレーターがNFTで稼ぐ方法について解説しました。
本記事の要約
- イラストレーターの年収は、国内全体の平均年収と比較して低く、社会的地位も厳しい立ち位置にある
- イラストレーターが自身の作品をNFT化販売することで多額の報酬を得た実例がある
- 国内におけるNFTへの関心は未だ少ないため、海外をターゲットにしたNFT販売戦略が必要となってくる
2021年にバブルのような急激な成長を遂げたNFT市場ですが、未だ成長段階にあり決して成熟していない市場であることは間違いありません。
つまり、イラストレーターにとって、今後も参入余地がある市場であり個人が稼ぐチャンスが残っているのではないでしょうか。
今後も、イラストレーターの課題をクリアにする可能性があるNFT市場から目が離せません。