2021年の8月より急激な取引高の増加をみせたNFT市場。
2022年に入り落ち着いた動きで経過しています。
とはいえ、仮想通貨市場においては、激増のあとには暴落を繰り返しながら時価総額を伸ばし続けているため、NFT市場においてもこの現象は例外ではないでしょう。
その上でやはり気になるのは今後のNFT市場の動向ではないでしょうか。
結論からお伝えすると、
NFT市場は未だ黎明期段階であり、今後も成長し続けるポテンシャルを持ち合わせている市場です。
そこで本記事では、以下の内容について解説していきます。
- NFT市場が今後伸びる可能性とその根拠
- NFT市場における名だたる企業の動き
- 将来性が期待できるNFTのカテゴリー
今後、NFTのキャピタルゲインを期待して投資する方や市場に不安を抱えている方にとって参考となる内容になっていますよ!
NFT市場が今後爆発的に成長する理由
2021年に急成長を遂げたNFT市場が今後、爆発的な成長をみせる理由を以下の2つの市場をみながら解説していきます。
- 母体である仮想通貨市場に勢いがあるから
- NFT市場の時価総額がまだまだ少なすぎるから
具体的な数字に基づいて解説していきます。
母体である仮想通貨市場に勢いがあるから
NFT市場が今後も成長する理由を説明する上で、仮想通貨市場全体の時価総額は無視できません。
仮想通貨市場全体の時価総額に対して、NFTの時価総額がどれほど割合を占めているかによって今後の伸びしろが把握できるからです。
たとえば、仮想通貨全体の市場に対してNFTが80%を占めていれば伸びしろは少ないですが、逆にNFTの割合が少ないケースではいかがでしょうか?
前置きはこのくらいにしておいて仮想通貨市場の時価総額をお伝えすると、「CoinMarketCap」が発表している仮想通貨時価総額は約1.8兆ドルです。
2017年末バブルを思わせる仮想通貨市場の盛り上がりをみせ、BTCの価格は19,000ドルを超えましたが、当時の時価総額は約8000億ドルでした。
その後一旦は時価総額を下げたものの、2021年11月には約2.8兆ドルまで時価総額を伸ばし、勢いの強さが理解できます。
NFT市場の時価総額がまだまだ少なすぎるから
仮想通貨の時価総額に対して、NFT市場の時価総額はいったいどれほどの割合を占めているのでしょうか。
NFT市場の分析プラットフォーム「NFTGO」によると、現在のNFT市場の時価総額は約180億ドルです。
つまり、仮想通貨の時価総額約1.8兆ドルに対して、NFTの時価総額はわずか1%の割合しか占めていません。
NFTアートの象徴ともいえる「CryptoPunks」や「BAYC(Bored Ape Yacht Club)」が、億を超える多額の金額で取引されている中、わずか1%のみのシェア率となっています。
さらに、全世界におけるアート市場の時価総額は1.7兆ドルといわれており、NFTアートの可能性を期待させてくれます。
話を戻しますが、NFTの時価総額は仮想通貨の時価総額に対して決して大きな割合を占めているとはいえず、今後も大きな成長が期待できる伸びしろが存在します。
2021年に急激な成長をみせたばかりであり、今後どのように展開してくるのか楽しみです。
今後のNFT市場の可能性と将来性
仮想通貨市場に対して今後も伸びしろが十分にあるNFTですが、企業やより詳細なカテゴリーにフォーカスしてみてみましょう。
項目は以下2点です。
- 企業とコミュニティの動き
- 動的NFTの成長
1つずつ解説していきます。
企業とコミュニティの動き
メルカリ、LINE、楽天など国内大手企業がNFT市場に注目していますが、その前に触れておきたいのがNFTマーケットプレイス「OpenSea」の成長です。
2021年、世界最大級のNFTマーケットプレイスであるOpenSeaの取引高は、約140億ドルとAmazonの売上10分の1まで迫る結果となりました。
そして注目すべきポイントはその成長率であり、対前年比は約646%とバブルと言わざるを得ない数字を残しました。
数々の国内企業がNFTへ注目している中、日本最大級の仮想通貨取引所であるCoincheckがNFT業界へと先陣を切り、NFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」をリリースしました。
Coincheck NFT(β版)のマーケティング部長である岡田氏は、NFT市場における大手企業の動きとNFTホルダーのコミュニティによる動きについて言及しています。
大手企業の動き
現在、NFTアートのキャピタルゲインを狙って多くのユーザーが参入していますが、NFTを注視している企業はWeb3.0が実装される未来に向けて準備を進めています。
adidasやNIKE、Louis Vuittonなどあらゆる企業がWeb3.0へ参入するために動きをみせており、2021年12月にはadidasがNFTコレクション「Into The Metaverse(イントゥ・ザ・メタバース)」を発表します。
メタバース内で着用できるバーチャルウェアを提供するNFTコレクションは、約26億円の売上を達成しました。
新型コロナウイルスによってオフラインの活動が制限されるなか、メタバース関連事業やNFTの販売が促されており、この動きは今後も加速することが予想されます。
コミュニティの動き
企業の動きに対して、NFTアーティストのコミュニティ内におけるホルダーの動きも活性化しており、市場の成長を後押ししています。
例えば、世界的に有名なNFTコレクション「BAYC(Bored Ape Yacht Club」では、BAYCのNFTホルダー限定のDiscordが存在し、参加者同士がBAYCやNFTについて未来を語り合っています。
また、ホルダー限定のショップ「BAYC Merch Store」を展開しており、Tシャツなどのグッズ販売をおこなっています。
他のNFTコレクションにおいても同様の取り組みはおこなわれており、コミュニティに参加したい理由からNFTを購入するユーザーも後を絶たない現状となっています。
キャピタルゲインだけでなく、コミュニティなど副次的なメリットがあることもNFT市場が成長している理由の1つとして証明されています。
動的NFTの成長
総売上高が280億ドルを超えるNFT市場ですが、市場の大きな割合を静的NFTが占めています。
静的NFTとは、アバターやアート、コレクタブルNFTを指し、本質的にはキャピタルゲインを狙った用途をもたないNFTをいいます。
そして現在のNFT時価総額ランキングは以下のとおりです。
- アバター
- ゲーム
- アート
- コレクタブル
- ユーティリティ
静的NFTであるアバター、アート、コレクタブルNFTが上位を占めており、アートNFTに関しては市場の時価総額を考慮すると今後も伸びる可能性が十分にあります。
対して動的NFTであるゲームと音楽NFT占める割合が少なく、特に音楽NFTは、1%にも満たない割合で留まっています。
しかし、Web3.0の普及にともなってメタバースへの関心が高まるなか、新規NFTゲームのローンチやメタバース音楽ライブ開催など、動的NFTが絡んだ動きが活発にみられています。
仮想通貨も当初は投機を目的に保有されていましたが、現在は支援金の送金など慈善活動でも多くの仮想通貨が実用されています。
NFTも同様に、実用手段として購入される未来は決して遠くなく、時価総額の割合からも動的NFTが普及する余地は十分にあるので注目していきましょう。
NFT市場が爆発的に成長する理由まとめ
本記事ではNFT市場が爆発的に成長する理由について、具体的な数字も含めて解説しました。
本記事の要約
- 仮想通貨の時価総額に対してNFTの時価総額は1%のみであり、成長のポテンシャルが高い
- 個人のNFTホルダーだけでなく、大手企業やコミュニティがNFTの普及を後押し
- 今後はよりユーティリティに富んだゲームや音楽NFTに期待が集まる
2022年に入りNFTの取引高が減少したことで「NFTは終わった」と声も聞こえてきましたが、決してそのようなことはなく、伸びしろに富んだ市場であることが理解いただけたでしょうか。
もちろん仮想通貨市場も今後成長を続けるため、伴ってNFT市場も拡大すると予想できます。
当然ながらすべてのNFTの価値が上がるわけではないので企業やコミュニティから情報を集め、資金に余裕をもちNFTを購入してみてはいかがでしょうか。